「3期先の配当利回りランキング」を「長期株式投資」氏はどう読み解くか(写真:イメージ)
日経平均株価は史上初めて5万円台を突破し、その後も高値圏で推移を続けている。この波に乗った投資で、株価上昇による売買差益を狙いたいと考える人は少なくないだろう。だが、それは玄人にとっても簡単なことではない。実際、株高ムードとはいえ株価が高騰しているのは日経平均への寄与度が高い一部の銘柄だけで、その他の多くの銘柄はさほど上がっていないのが現状だ。
そうしたなかで手堅く資産を増やすためには、株式を保有しているだけで継続的に収入が得られる「配当」に着目するのも一手だ。しっかり銘柄を見極めて投資をすれば、日々の値動きに一喜一憂することもなくなる。企業業績の向上に伴って増配が実施されれば、値上がり益を狙うことも可能だ。
そこでマネーポストWEBでは、金融情報サービス会社アイフィスジャパン協力のもと、「3期先の配当」のコンセンサス予想(主要証券会社16社に所属するアナリストの業績予想の平均値)を集計。そのうえで、算出基準日(11月21日)時点の株価から、3期先の予想配当の「配当利回り」を算出して、高い順にランキング化した。
このランキングをどう活用すればいいのか。“配当株投資の達人”である個人投資家・長期株式投資氏に話を聞いた。
長期株式投資氏は「日本の配当株」をメインに投資を続け、着実に資産を増やしてきた。2023年、運用資産が1億円を突破したことを機に長年勤めてきた会社を45歳で早期退職。現在はオンラインの投資教室、SNSやブログでの情報発信、本の執筆などに従事しながら、年間400万円以上の配当を受け取っている。
“減配しにくい空気”
同氏は「3期先の配当利回りランキング」の特徴をこう解説する。
「このランキングでは現在高配当の銘柄が3年後も高配当であるというパターンが多く見られますよね。そういう意味では、現在の配当利回りは投資判断の際に重要な要素になると言えるでしょう。最近は日本の企業全体に“減配をしにくい空気”が広がっているので、いま配当利回りが高い状態であれば、3年後もそのままの傾向を維持するケースも多いのかもしれません」(長期株式投資氏、以下同)
しかし、単純にランキングの上位の銘柄に投資をすればいいというわけではないという。ランキングのなかには業績が安定している銘柄と、業績に波がある銘柄が混在しているからだ。
関連記事『《3年後に高配当期待の株トップ100》年間配当400万円超の長期株式投資氏が注目10銘柄を厳選 独自ランキングのなかにはハウスメーカー、地場スーパーほか株価上昇期待の銘柄も』では、ランキングのトップ100の一覧を公開。そのなかから長期株式投資が特に注目する10銘柄を紹介している。
【PROFILE】
長期株式投資(ちょうきかぶしきとうし)/1977年生まれ。「日本の配当株」専門の投資家。2004年から株式投資を始め、新興市場にて個別銘柄の投資をするもライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2023年に長年勤めた会社を45歳で早期退職。現在は投資教育をライフワークとする。『年に471万円が入ってくる「鉄壁配当」 後悔ゼロの“早期リタイア計画”』(KADOKAWA)などの著書がある。
Xアカウント:https://x.com/budoukamail
