長期株式投資氏にとって“意外なランクイン”となった銘柄も(写真:イメージマート)
史上最高値をうかがう相場であれば、当然、株価上昇が期待できる銘柄へ投資するのが王道に思える。しかし株価が上がれば配当利回りは低下する。配当銘柄を株価が割安で利回りが高いうちに仕込んでおいたほうが妙味は大きいという考え方もある。
マネーポストWEBでは、金融情報サービス会社アイフィスジャパン協力のもと、「3期先の配当」のコンセンサス予想(主要証券会社16社に所属するアナリストの業績予想の平均値)を集計。そのうえで、算出基準日(11月21日)時点の株価から、3期先の予想配当の「配当利回り」を算出して、高い順にランキング化した。
本稿ではそのトップ3を紹介。そのうえで、「日本の配当株」をメインに長年投資を続け、年間400万円以上の配当を受け取っている“億り人”の長期株式投資氏に見解を聞いた。
高配当期待株トップ3
1位にランクインしたのはメガソーラー(大規模な太陽光発電設備)の開発や建設を手がけるウエストホールディングス(東証スタンダード・1407)だ。3期先のコンセンサス予想では1株配当が70円から85円、配当利回りは5.05%から6.14%に高まっている。
2位のソニーフィナンシャルグループ(東証プライム・8729)はソニー生命、ソニー損保、ソニー銀行の持ち株会社で今年9月に上場したばかり。配当利回りは今期予想の2.56%から3期先は6.09%と大幅アップの見込みが示されている。
3位のKHネオケム(東証プライム・4189)は化学メーカーで、エアコンなどに使われる冷凍機油原料の大手。3期先の配当利回りは6.06%と予想されており、トップ3はいずれも予想の配当利回り6%超となった。
そのなかで長期株式投資氏が注目するのが2位のソニーFGだという。
「2025年度は期末配当のみのため利回りが低くなっていますが、2026年度は中間・期末の年2回の配当を実施予定です。同社の資料では今期の1株配当が3.5円と予想されているので、来年度は単純計算で2倍になると考えると7円になり、現在の株価水準なら配当利回りは5%近くになります。3期先の予想(1株配当9.05円、配当利回り6.09%)くらいまで上がる可能性は充分あるでしょう。
また、同社は1000億円の自己株式取得を設定するなど、株主還元にも積極的な姿勢を見せています。減配の可能性も相対的に低く、配当を目的とした投資家にとっては選択肢たり得る銘柄だと思います」(以下、長期株式投資氏)
需要拡大のエアコンビジネス
3位のKHネオケムは、長期株式投資氏にとっても意外なランクインとなったという。
では、ランクインした銘柄のなかで、長期株式投資氏が注目するのはどういった銘柄なのか。関連記事『《3年後に高配当期待の株トップ100》年間配当400万円超の長期株式投資氏が注目10銘柄を厳選 独自ランキングのなかにはハウスメーカー、地場スーパーほか株価上昇期待の銘柄も』では、ランキングのトップ100の一覧を公開。そのなかから長期株式投資が特に注目する10銘柄を紹介する。
【PROFILE】
長期株式投資(ちょうきかぶしきとうし)/1977年生まれ。「日本の配当株」専門の投資家。2004年から株式投資を始め、新興市場にて個別銘柄の投資をするもライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、リーマンショックで含み損が600万円にまで膨らむ。2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2023年に長年勤めた会社を45歳で早期退職。現在は投資教育をライフワークとする。『年に471万円が入ってくる「鉄壁配当」 後悔ゼロの“早期リタイア計画”』(KADOKAWA)などの著書がある。
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