YouTuberヒカルが起用されたパチンコホール取材イベント「ヒカルの一致団結」。全国の複数のホールで開催されている（Xより）
かつては3000万人近くの遊技人口がいたパチンコ・パチスロだが、現在の遊技人口は690万人ほどにまで落ち込んでいる（2014年の遊技人口、公益財団法人日本生産性本部が発表した『レジャー白書2025』より）。コロナ禍の影響で閉店するパチンコホールも増える中、生き残ったホールにとっては、既存のユーザーを引き止めるとともに新規ユーザーの開拓が重要なミッションだ。現在パチンコホールでは、新規ユーザー開拓のためにどんな動きがあるのだろうか。【前後編の後編。前編から読む】
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YouTuberヒカルを起用した“取材イベント”
パチンコ機メーカーによる業界団体、日本遊技機工業組合（日工組）は12月4日、パチンコやパチスロの魅力を伝えるキャンペーン「PACHI-PACHI-7」の 新CM発表会を開催。CMに出演するモデルでタレントの藤田ニコル、YouTuberのはじめしゃちょー、TVプロデューサーの佐久間宣行氏が出席した。CMでは、はじめしゃちょーと佐久間氏が、藤田ニコルが演じる“パチンコ業界の裏のドン・N”こと「PACHI-PACHI-QUEEN」の元を訪れるというストーリーが展開される。パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「藤田さんは、芸能界きってのパチンコファン。知名度・人気も高く、パチンコの魅力を知っているということで、かねてより業界内では何らかのキャンペーンに起用してほしいとの声も多く出ていた。新規ユーザー開拓という業界内での大きな目標達成のために、重要な仕事を果たしてくれるのではないかと期待されています」（以下「」内同）
この「PACHI-PACHI-7」は、テレビCMやYouTubeなどのメディアを使ったキャンペーンだが、一方でパチンコホールを舞台にした新規ユーザー開拓の動きもある。そのなかでも、特に注目度が高いのが、YouTuberのヒカルを起用した『ヒカルの一致団結』だ。
パチンコホールではさまざまな形で、集客のためのイベントが行われている。昨今では、パチンコ・パチスロライターやYouTuber、あるいはタレントが実際にホールを訪れて遊技をしたり、動画撮影をしたりする“来店イベント”が多く開催されているが、そのほかに“取材イベント”というものがある。
この取材イベントとは、YouTuberのような“演者”がホールに来店するのではなく、パチンコ・パチスロ関連のメディアがホールを取材するというもの。取材日のホールの様子や出店状況などがメディアで紹介される形が一般的だ。
「ホールとしては、来店イベントよりもコストが掛からないイベント。取材日はメディア側から事前に告知されることが多く、それを参考に足を運ぶユーザーも少なくありません。メディアで公開された取材結果も、ユーザーにとってのホール選びや台選びの参考になっています」
『ヒカルの一致団結』は、基本的に演者が来店するのではなく、ホールへの取材イベントを行うものだ。
「パチンコホールのイベント事業を手掛ける『スロミュー』とヒカルさんのコラボとして、『ヒカルの一致団結』というプロジェクトが立ち上がりました。本格始動は2026年1月からとのことですが、2025年11月から先行取材イベントが全国各地で開催されています。大手チェーンを中心に、1日に複数店舗で取材イベントが行われており、その規模はかなり大きい。
YouTuberのなかでもヒカルさんの知名度は圧倒的に高く、そのうえ参加するホール数も多いということで、非パチンコ・パチスロユーザーに対してのアピール力も大きいであろうと期待されています」
