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《池上彰氏・佐藤優氏が2026年の世界情勢を読み解く》アメリカを襲う最悪の事態は深まる分断が引き起こす「トランプ暗殺リスク」 内戦にすら発展しかねない危機に

「トランプ大統領の暗殺リスク」がアメリカ分裂に繋がる可能性も(写真は2024年/AFP=時事)

「トランプ大統領の暗殺リスク」がアメリカ分裂に繋がる可能性も(写真は2024年/AFP=時事)

 2026年、混迷の世界と日本はどこへ向かうのか。やはり注視すべきは、トランプ米大統領の動向だ。トランプ氏の舵取りによって今、世界のパワーバランスは大きく塗り替えられようとしており、日本もその影響を受けることは必至だ。ジャーナリストの池上彰氏と作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が語り尽くした。【全3回の第3回】

スパイ防止法と国家情報局の創設に大きな懸念

池上:それでも高い内閣支持率が続いています。初の女性総理だし、石破(茂)さんより分かりやすく話すことも支持が集まる理由でしょうが、ご祝儀相場かもしれません。物価が下がらなければ、トランプのように支持率が下がる可能性がある。

佐藤:安倍政権の時の保守層の熱狂的な支持と違って、高市批判をしてもそれに対する反発が弱い感じもするんですよ。

池上:財政を大盤振る舞いする姿勢には、海外の投資家からも3年前に英国金融市場を大混乱させたトラス・ショックが再来するのではないかという声が出ています。

佐藤:高市さんにサッチャーを期待していたらトラスだったと(笑)。

池上:実際、国債の長期金利はジリジリと上がっています。日銀が利上げするとしても、長期金利はなかなかコントロールできません。

佐藤:賃金の上昇が物価上昇に追いつかない状況で、インフレと不況が同時進行するスタグフレーションが起きる可能性もあります。ただ、全部ぶっ飛ばす方法もあって、それは戦争です。すごいインフレになって財政赤字も心配なくなる。

池上:また物騒な!

佐藤:前のめりと言えば、高市政権がスパイ防止法と国家情報局の創設を同時に掲げていることも懸念事項です。本来彼らの主張を実現するなら、スパイ防止法は本丸じゃなくて、裁判所が発行する令状なしに行政傍受を可能にする通信傍受法の改正が必要になるのです。

池上:そんな改正を許してもいいのかという議論も起きるでしょうね。

佐藤:中国人ジャーナリストと防衛官僚が通話する時に、警察は今でも盗聴しているでしょうが、録音に証拠能力がありません。法改正でこれを根拠に逮捕も可能になるが、それで捕まるのは秘密情報を持ち、ロシアや北朝鮮と接触する公務員、とりわけ新しい情報機関の職員ですよ。情報機関創設がアクセルなら、スパイ防止法はブレーキ。順番を考えずにやるのは論理的な思考とは思えない。日本のインテリジェンスはよくやっているのに、子供に時計の分解掃除をさせたら組み立てられないといった、最悪の事態を心配しています。

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