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土俵に埋まるカネ
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1年あまりで「給料ゼロ→月収約300万円」に!新大関・安青錦が体現した「土俵にカネが埋まっている」の世界

超スピード出世を果たした新大関・安青錦(左は師匠の安治川親方。写真・時事通信フォト)

超スピード出世を果たした新大関・安青錦(左は師匠の安治川親方。写真・時事通信フォト)

 初場所(1月11日初日・両国国技館)の新番付が発表され、2021年秋場所以来、26場所ぶりに東西の横綱、大関が揃った。なかでも注目されるのは新大関の安青錦。ウクライナ出身力士として初の大関で、初土俵から所要14場所での大関昇進は前相撲スタートの力士では年6場所制以降最速のスピード昇進となった。その昇給のスピードも凄まじい。

 安青錦は初土俵から負け越しなしで大関に昇進した史上2人目の力士(羽黒山以来、86年ぶり)。新入幕から所要5場所での大関昇進は大の里(幕下10枚目格付け出しデビュー)と並ぶ1位タイの記録だ。大関昇進を決めた九州場所での幕内最高優勝は付け出しを除けば尊富士の10場所に次ぐスピード記録で、21歳8か月での初優勝も史上5位の若さだった。

 快進撃を続ける安青錦は「収入」も大きく伸ばしている。この世界では、幕下以下の力士には給料がない。本場所ごとに10万円前後の場所手当(各段で違う)と奨励金などがあるだけ。所属部屋で衣食住の面倒を見てもらえるがゆえの仕組みとなっている。初めて給料が発生するのは関取(十両以上)になってからだ。月給は十両が110万円、平幕140万円、小結・関脇180万円、大関250万円、横綱300万円で、年2回の賞与(9月と12月に各1か月分)がある。

2024年の秋場所まで「月給ゼロ」

 安青錦は幕下だった2024年9月の秋場所までは「給料ゼロ」で、同年11月の九州場所で新十両として110万円の初月給を手にした。加えて、十両以上の関取には月給とは別に本場所ごとに「力士褒賞金(持ち給金)」が支給される。これには独特な仕組みがある。

 力士は序ノ口に四股名が出るとまず「持ち給金3円」が与えられる。そこから勝ち越し1勝につき0.5円が加算され、8勝7敗なら0.5円、9勝6敗なら1.5円といった具合に増えていく。幕下以下では積み上がるだけで支給はされず、十両に昇進すると「持ち給金の4000倍」の額が力士褒賞金として2か月に1回の本場所ごとに支払われるのだ。加算されるだけで負け越しても減ることがないため、関取になれば安定収入となる。

 この力士褒賞金は番付ごとに最低保証額(基準給)がある。十両に昇進した時点で40円(支給額16万円)、幕内なら60円(同24万円)になる。安青錦のようなスピード出世の力士は、新十両や新入幕で一気に収入が増えるわけだ。以下、その変遷を見ていこう。

次のページ:2026年1月は約300万円を手に
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