退職届提出で注目が集まる宮城野親方
元横綱・白鵬の宮城野親方が相撲協会に退職届を提出したことが明らかになった。協会側は受け取りを保留扱いにしており、宮城野部屋の処遇について6月2日の臨時理事会で話し合われることになるという。相撲協会に留まれば親方としての厚遇が保たれることになるが、宮城野親方は退職によりそれを手放すことになるのか。
弟子の不祥事により宮城野部屋は一時閉鎖となり、昨年4月から師匠・弟子ともに同じ一門の伊勢ヶ濱部屋へ転籍となっていた。相撲ジャーナリストが言う。
「部屋の再興がいつまでも認められないことに白鵬がしびれを切らした格好で、厳しい処遇を継続する考えの執行部はすんなり退職を認めるとみられていたが、実際に退職届が提出されると受理せず、説得に回っているという。退職報道に対する世間の関心の高さに執行部も驚き、対応に苦慮している状況です」
ただ、6月9日には伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)と照ノ富士親方の名跡交換が決まっており、照ノ富士親方の伊勢ヶ濱部屋継承が目の前に迫っている。若手親方が言う。
「白鵬が退職を決意したのはモンゴルの後輩横綱である照ノ富士親方との関係が原因。現役時代の実績も親方としてのキャリアも自分が上なのに、照ノ富士親方のもとにつくことはできない。伊勢ヶ濱部屋を照ノ富士親方が継承するタイミングで宮城野部屋の再興を期待したが、理事会での議題にも上がらなかった。協会側から漏れ聞こえてきたのは、八角理事長(元横綱・北勝海)の体制が続く限り宮城野部屋の再興はないというものだった」
同じ伊勢ヶ濱一門でモンゴル出身の大島親方(元関脇・旭天鵬)の部屋や手が合う朝日山親方(元関脇・琴錦)の部屋への移籍を申し入れても、「協会側の答えは“ノー”だった」(同前)という。