優勝を決め、豪華な副賞も手に入れた大の里(写真・JMPA)
大関・大の里が2場所連続優勝で横綱昇進を決めた大相撲5月場所。NHKの大相撲中継終了後も表彰式は30分以上続き、大の里には数々のトロフィーや副賞が授与された。そのなかで会場が最も盛り上がったのが、福島県知事賞の表彰だった。JAグループ福島提供として同県産のコメ「天のつぶ」1トンが副賞として贈られると、大歓声が上がった。
コメの価格高騰のなかJAグループ提供の副賞に客席が反応したかたちだが、親方衆の間でも注目が集まっていたという。千秋楽に相撲博物館でのトークイベントに登場した西岩親方(元関脇・若の里)は「コメは相撲部屋では必須の食べ物。力士には“食べろ食べろ”と言っているが、コメが高いのは相撲部屋にとっては死活問題」と本音を明かしたように、相撲部屋にとっても重大な関心事項なのだ。
副賞として大の里に贈られたのはコメ1トンなので、5キロ200袋にあたる。農水省が発表する全国のスーパーで販売された米5キロあたりの平均価格は4268円(5月5~11日)。200袋分(1トン)なら単純計算で83万3600円となる。相撲担当記者が言う。
「大の里は昨年の5月場所で初優勝を飾っており、その時も福島県知事賞の副賞のコメ1トンが贈られている。当時の全国のスーパーでの平均販売価格は2120円。単純計算で1トンは42万4000円で、副賞の価値が1年で40万円以上増したことになる」