人気メニューの「つみれ」はいわゆるピーマンの肉詰めのこと
お酒はいつ飲んでもいいものだが、昼から飲むお酒にはまた格別の味わいがある――。ライター・作家の大竹聡氏が、昼飲みの魅力と醍醐味を綴る連載コラム「昼酒御免!」。連載第21回は、大竹氏と同い年だという渋谷の老舗でやきとりにかぶりつく。【連載第21回】
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昼から酒飲んで、ご機嫌な午後を過ごす。この楽しみを一度覚えてしまったら、誘惑から逃れるのは簡単なことではない。蕎麦、寿司、洋食、なんだって昼酒のつまみになるし、酒屋さんの店先で缶詰を開けるだけでも、そこに酒があれば、もう立派な昼酒だ。
とりわけ、居酒屋とか、やきとり屋とか、平素は夜、じっくり飲むときに利用するタイプの店に昼から入るのは気持ちがいい。ちょっと寄ってみた、というより、今日はもう昼から大いに飲むのだと宣言してから店へ入る、そんな痛快さがある。
そこでこのたびの「昼酒御免!」は、渋谷の名店「鳥竹 総本店」にて、御免してきた。
渋谷は、この連載でいつも一緒の飲み友ケンちゃんの島である。高校を卒業して大阪から上京した彼は5年間渋谷の大学に通った。聞くところによると当時住んでいたのは渋谷区だというので、飯を食うにも、酒を飲むにも、麻雀をするにも、渋谷駅界隈がもっとも便利だったろう。
某日の午後1時半。店の前で待ち合わせた私たちは入店し、2階に通された。若いころから新宿界隈か、西荻窪、三鷹あたりで飲み歩いてきた私は、東京生まれながら渋谷をあまり知らない。けれど、井の頭線の線路脇の「山家」「鳥竹」の2店だけは40年前には足を踏み入れていた。だから、「鳥竹」は懐かしい店ということになるのだが、店内の雰囲気は、昔と今と、同じようでいてまったく同じ、という感じでもない。
ここ数年のことになるのだろうが、ざっと見ただけで、外国人が2人、3人と視界に入ってくる。それだけで、老舗のやきとり屋さんの雰囲気が、昔とはちょっと違って感じられる。もっとも、浅草あたりをぶらつけば、すれ違うのは日本人より外国人のほうが多かったりするのだから、渋谷の老舗にも観光客の姿があって、何も不思議ではない。
最初の一品は何にしようか

