残り少ない人生だからこそ密度の濃い時間を過ごしたい(写真:イメージマート)
リタイア後に時間を持て余してしまう人は多いが、老後生活の充実度はこの「時間の使い方」にかかっている。還暦を機に人生の残り時間を考え、生活を変えたという小児外科医でノンフィクション作家・松永正訓氏(64)が新著『60歳からの人生を変える22の発想』(小学館新書)を上梓した。松永氏が説く、定年後の人生を輝かせるために重要な「発想の転換」とは。【前後編の後編。前編から読む】
「自分と少し違う世界の人」に会う
60歳をすぎてからは、「人に会う」ための時間も積極的につくるようにしている。
その際に大切にしているのは、「自分と少し違う世界の人」に会うということだ。異なる仕事をしてきた人は自分と違う知見や知識を持っていることが多いからである。よく知る仲間からは新しい発見を得ることは少ない。
リタイア世代の人は定年後に縁が切れ、人と会う機会が少なくなったという人もいるだろう。だが、自分で動かずただ待っていても、人からは誘われない。歳を取ってから人に会うためには努力が要る。
僕が意識して会っているのは編集者や作家だが、小児外科医の仕事をしているだけでは会う機会はない。そこで自分で食事会や飲み会などを企画し、幹事を買って出て、「会おう」と誘っている。ときには「忙しい」と断わられることもあるが、60歳をすぎたら恥をかくことを恐れないことも大事だ。
僕の一回り年上の知人は、毎週のように勉強会を主催し、自分で受付をしている。すると、すべての参加者に挨拶し、簡単でも会話を交えることになる。自ら受付をやってみることも良い経験になるだろう。
