「サポート校」もオープン予定だったが
もうひとつ、2026年からバンザンは通信制高校のサポート校もオープンさせる予定だった。難関大進学専門の通信制サポート校「メガスタディ名門高等学院」という。これも総合型選抜対策事業と同じように「一見、成長産業に見えるため多くの業者が新規参入している事業」であった。
サポート校とは通信制高校に在籍する生徒が3年間で確実に高校卒業資格を取得できるよう、学習指導や生活面でのケアを行う民間の教育施設で、いわば塾である。これもすでにベネッセや駿台といった大手教育産業が参入しており、すでにレッドオーシャンだ。また、通信制高校の生徒が難関大を目指すなら、既存の予備校や塾に行けばいい。実際、大手予備校や塾に行くと通信制の高校生たちが自習室で勉強をしている。
バンザンは様々な新規事業に乗り出し、投資をしてきたが、どれもがレッドオーシャンであるうえに、実際はそこまで市場が大きくない事業だったように見える。
中小や個人塾でも堅実経営の塾はある
大手家庭教師紹介業の倒産劇を通して、これからの塾選びでは「飛ばない塾」を選ぼうと考える保護者は増えていくだろう。入金したのに突然「指導できません」となると困るからだ。そうなると、上場している大手教育産業傘下の塾や、学校法人が運営する大手予備校が有力な選択肢になってくるだろう。
しかし、中堅や個人塾の中には、大手を凌駕する良い指導をする塾も存在するのも事実だ。小規模な塾でも口コミで生徒が集まっており、校舎を増やさない堅実な経営をしているところは、倒産リスクも高くないはずだ。
今後の塾業界の動向に注目したい。
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(ともに青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)、『東洋経済education×ICT』などで連載をしている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも更新中。