中国の人型ロボット産業の現在地とは(宇樹科技の人型ロボット。Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。中国で注目を集める人型ロボットの進化についてレポートする。
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中国で旧暦大晦日となる2月16日、恒例の春節聯歓晩会で、昨年に続き人型ロボットが登場、そのパフォーマンスがネット上で大きな話題となった。
昨年の「秧(ヤン)BOT」はハンカチを回しながらそれを空中に投げ上げて受け取るといった難しい動作のある秧歌舞を披露したが、今年の「武(ウゥ)BOT」は激しい武闘演技で身体能力の高さをアピールした。
4分半ほどのライブ演出であったが、20台以上の人型ロボットがヌンチャクを使ったカンフーや、酔拳を披露、子供たち相手に立ち合いをしたりした。体操床運動で行われるような3連続バク転を行ったり、走って壁を蹴りバク宙をしたり、跳躍板を使っての3メートル飛び上がった位置での宙返りをした上での着地をしたり、およそほとんどの一般人を超える運動能力を披露したのである。
実際の映像を見たうえではっきりと言えることは、工場での組み立て、検査や、倉庫での仕訳、運送などの単純労働はもちろんだが、建設現場、家事、介護などの家庭内での労働にも利用できそうだ。もっと大きな用途は、大量のロボットを同時に正確に動かせることから、狼が群れで獲物を狩る行動を模した軍事戦略(群狼作戦)などで大きな威力を発揮しそうだという点だ。
ロボットは呼吸する必要がない。空気の薄い場所、汚染の酷い場所でも難なく行動できる。恐怖心がないため、高所や敵に囲まれて危険な現場でもパフォーマンスは落ちない。戦車が走行できないような複雑な地形でも走行できたり、ドローンを飛ばすことのできない地下道などでも活動ができる。もちろん、電池性能や、耐久性、信頼性、電気通信系統の脆弱性などの面で更に性能を引き上げなければ実戦には投入できないだろうが、足元での技術革新のスピードは思いのほか速く、欧米軍事専門家の中には既に大きな脅威だとする意見もある。
