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“伝説の投資家”清原達郎氏が「割安日本株投資」に目覚めるまでのキャリアを振り返る 「野村證券時代の北尾吉孝氏との出会い」と「ゴールドマン・サックスの内情」

新卒で入社した野村證券では上司が現SBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏だったという(清原達郎氏。撮影/野口博)

新卒で入社した野村證券では上司が現SBIホールディングスCEOの北尾吉孝氏だったという(清原達郎氏。撮影/野口博)

 乱高下する株式市場を生き抜く秘訣はどこにあるのか──。「個人資産900億円」という伝説の投資家・清原達郎氏(67)。かつてタワー投資顧問の運用部長として2005年に発表された最後の高額納税者番付でサラリーマンとして初の1位(納税額37億円)に輝いたが、2018年に咽頭がんの手術で声帯を失い、2023年に現役を退いた。自身の投資人生を描いた『マンガ 清原達郎 わが投資術1』(講談社)を上梓したばかりの清原氏が、週刊ポストの取材に応じ、野村證券入社からゴールドマン・サックスにヘッドハントされるまでを振り返ってくれた。

「最も印象的だった」入社直後の上司・北尾吉孝氏

 野村證券に入社し決算発表時には会社に寝泊まりすることも珍しくない激務の日々を送るなか、清原氏が「最も印象的だった」と振り返るのが、入社直後に上司となった北尾吉孝氏(現SBIホールディングスCEO)だ。

「入社して間もなく彼の下に配属になりました。なぜ一番英語が下手だった私を北尾氏が部下にしたのか不明ですが、私は体が大きかったので体育会的な野村の役員好みだと思われたのかもしれません。事実、北尾氏は私をすぐに役員に紹介し、役員に同伴する海外出張が増えました」

 今回のマンガでは、証券会社が個人投資家を搾取する手数料ビジネスではなく、投資家が正当に儲けられる「投資家のための株式市場」に変えていきたいと北尾氏が夢を語り、清原氏が感銘を受ける様子が描かれる。

「北尾氏とはよく一緒に企業訪問をしました。私一人だと会社の中身をできるだけ理解しようと必死に質問しますが、北尾氏は違っていました。彼は出てきた社長や役員の人となりを見定めようとしているようでした」

 当時の野村では、多くの上司や同僚は顧客に損をさせて自分たちは儲けるビジネスモデルに没頭しており、北尾氏のようにひとつひとつの企業や顧客に真摯に向き合うタイプは珍しかったという。

 清原氏は「40年前の話で今は違いますが」と断わりつつ本心を明かす。

「マンガでは野村の次長や部長がアホみたいに描かれていますが、基本ほとんどが『いい人』たちで、みんな親切でしたしとても勉強になりました。ただし支店でノルマ営業を課されていた連中は年を追うごとに精神を破壊されていきました。客に損をさせることに罪を感じない人間に洗脳されていったのです」

次のページ:ヘッドハントされたゴールドマン・サックス時代
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