なぜ持ち株の大半を売却したのか、その理由を明かす(清原達郎氏。撮影/野口博)
「高騰する今の相場にはついていけません」──日経平均が史上最高値を更新し続ける高市バブルのさなか、熱狂する市場に見切りをつけ、距離を置いたのが「個人資産900億円」という伝説の投資家・清原達郎氏(67)だ。
かつてタワー投資顧問の運用部長として2005年に発表された最後の高額納税者番付でサラリーマンとして初の1位(納税額37億円)に輝いたが、2018年に咽頭がんの手術で声帯を失い、2023年に現役を退いた。自身の投資人生を描いた『マンガ 清原達郎 わが投資術1』(講談社)を上梓したばかりの清原氏が、週刊ポストの取材に応じ「もう私が日本株を買うことはよほどの暴落がない限り二度とないでしょう」と明かした。その真意とは──。
「損切りは最も愚かな行為」
野村證券、GS、そしてタワー投資顧問とステップアップするなかで確立された清原氏の投資理論は、巷の大企業信仰とは真逆を行くものだった。
彼が一貫して狙うのは、時価総額が500億円未満の小型株である。
「小型株は出来高が少なく、売買したいタイミングで売買できないリスクもあり、機関投資家やアナリストが手を出しません。その結果、成長が見込める企業なのに株が安く放置されるケースが多くなります」
株価が暴落した時の対応も逆張りだ。所有株の価格が一定以上下がったら一部を売却して「損切り」するのが投資のセオリーとされるが、清原氏は「損切りは最も愚かな行為」と語る。
「株式投資で一番やってはいけないことは、下がった時に売ること。持っている株が下がった時の選択肢は、『もっと買う』か『放置するか』の二択のみ。暴落時にパニックになって売ったら、投資はその時点で失敗です」
2024年8月、日経平均が史上最大の下落幅(4451円)を記録した際、清原氏は即座にメガバンクの株を105億円分買い増した。その翌日、日経平均は過去最大の3217円の上げとなり、莫大な利益を手に入れた。
