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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

【ウェブサービスの栄枯盛衰】グルメ界の巨大メディアだったクックパッド炎上騒動に見る“時代についていけなかった感” 一時は持て囃されながら凋落していったサービスの数々を思い返す

2013年11月、グルーポン・ジャパンが発表した「夢のおせち」プレゼントキャンペーン

2013年11月、グルーポン・ジャパンが発表した「夢のおせち」プレゼントキャンペーン

凋落していったウェブサービスの数々

 クックパッドについては、「レシピを発信されている方々と直接お話ししながら、よりよい形を一緒につくっていきたいと思っています」と声明を出しているので、今後に期待するとして、ここでは「そういえば、あんなサービスあったなァ……」というウェブサービスの歴史を振り返ってみたいと思います。

【セカンドライフ】
 2003年に米・リンデンラボがリリースした3D空間で活動できるアバターサービス。土地を購入したり、店を建てたりできるのがウリでした。日本でも2007年頃に「これからはセカンドライフの時代だ!」と一部のITギークの間で盛り上がり、企業もセカンドライフ内に店舗を持つなどしてIT系メディアから取り上げられ、先端イメージを称賛するような記事も登場。しかし、当時のPCのスペックではあまりにも重過ぎたこともあってか、ユーザー数も減少。多数の解説および攻略本は出たものの、結局は一時期の熱狂だけで尻すぼみになっていきました。

【Ustream】
 動画の生中継ができるサービスとして2007年に登場。脚光を浴び、セカンドライフ同様、ITギークが絶賛し、企業が先端イメージを作るべく活用。記者会見にUstreamを初めて導入した日本企業は大きく注目されましたが、動画が重かったことや、ユーザー数がなかなか伸びず、「視聴者数2ケタ」という無慈悲な状況もはびこりながら、日本では2016年にサービス終了。後にYouTubeの生配信が当たり前になるのですが、若干時代が早過ぎたのかもしれない。現在は「IBM Cloud Video」としてサービス自体は存続しています。

【Pinterest】
「ピンボード風の画像収集・共有サービス」サービスとして脚光を浴びました。同じ場所を共有する、フォローしている人の行った場所を知ることができるサービス。私自身、これは面白いと思ったのですが、その後に登場したInstagramに勢いを奪われました。現在でもサービスは提供されていますが、2010年代の盛り上がりが懐かしい。

【Evernote】
 様々なメモをクラウド上に蓄積できるサービス。「コレがあればもはやHDはいらない!」的なもてはやされ方をされ、様々な“攻略本”も出版されました。だが、日本では大きな盛り上がりを見せることなく、2024年に日本法人は解散。Googleのストレージ機能の強固さがあれば、Evernoteはいらないと感じた人が多かったのかもしれません。サービス自体は現在、イタリアのBending Spoons社によって継続されています。

【Google+】
「ぐぐたす」と呼ばれたSNS。mixiやFacebook的な交流ツールで、Googleが満を持して2011年にこの分野に打って出たことから期待されたのですが、2011年開始と後発過ぎたこともあってか、盛り上がりに欠けました。日本では「毎日空の写真を撮る女子大生」がフォロワートップになり、多数のメディアに登場。個人向けサービスは2019年で終了、2023年に、ビジネス向けに名称を変更したGoogle Currentsもサービスを終了しています。

【グルーポン】
 2010年代前半、クーポン共同購入プラットフォームが続々と誕生。規定の人数がそのクーポンを購入すると、割安価格で商品を購入できるというものでした。そんな中、グルーポンが注目されたのは2010年末のこと。某飲食店がグルーポン経由で豪華おせちを出品したのですが、実際は中身がスカスカで、怨嗟の声がネットに多数書き込まれました。決定的だったのは、本来「フランス産テリーヌ」のはずだったのが、市販のプロセスチーズが入っていたこと。「スカスカおせち事件」として汚点を作り、以後、グルーポンを含めたクーポン共同購入サイトの勢いは目に見えて失われていきました。

 ──ウェブサービスの歴史を振り返ると、数多のサービスの屍の上に少数の勝者が生き残る構図が続いています。こうして凋落していったサービスを振り返ってみると、競合に勝てなかった、内部のリテラシーがちゃんとしていなかったなど、屍にはそれぞれの理由があるものです。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は稲熊均氏との共著『ウソは真実の6倍の速さで拡散する』(中日新聞社)。

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