閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
河合雅司「人口減少ニッポンの活路」
有料会員限定鍵アイコン
有料会員限定

【過去20年で最悪の水準】公立病院の8割超、民間病院の6割超が赤字経営に 深刻な事態の背後にある構造的問題とは

「医は仁術」だが、赤字経営のままではいずれ立ち行かなくなる(イメージ)

「医は仁術」だが、赤字経営のままではいずれ立ち行かなくなる(イメージ)

 公立病院の83.3%が赤字──つまり、ほとんどの公営の病院が利益を出せない状態になっている。民間の病院でも、6割を超える法人が赤字となっており、過去最悪の水準だという。超高齢社会の日本で、診察や治療を必要とする人々も増えているはずなのに、なぜ病院経営は行き詰まっているのか? 人口減少問題に詳しい作家・ジャーナリストの河合雅司氏が検証する。【前後編の前編】

人材確保が困難な地方ではさらなる弊害も

 総務省が公表した2024年度決算によれば、全国844の公立病院(地方公営企業の病院と公営企業型地方独立行政法人病院)のうち83.3%が赤字だった。経常収支の赤字額は3952億円にのぼり、前年と比べて1853億円悪化した。赤字幅、割合ともに過去最大だ。

【公立病院の2024年度決算の状況】赤字幅、割合ともに過去最大(出所:総務省「地方公営企業等決算」)

【公立病院の2024年度決算の状況】赤字幅、割合ともに過去最大(出所:総務省「地方公営企業等決算」)

 経営が厳しいのは公立病院ばかりでない。帝国データバンクの「全国『病院経営』動向調査」(2024年度)によれば、民間病院を経営する約900法人のうち、61.0%が営業赤字だった。前年度より6.2ポイント増え、過去20年で最悪の水準だ。経営破綻リスクが高まる「債務超過(自己資本がマイナス)」の病院が13.6%を占めており、こちらも前年度比3.7ポイントもの増加となった。

 病院経営の悪化の背景には、光熱費、医療材料費などのコスト高や人件費の上昇の影響がある。コロナ禍で収益を下支えした病床確保料などの補助金収入が減少したことも加わって、診療報酬のプラス改定効果を打ち消したのだ。収入が増えても利益が減る「増収減益」になっている病院も少なくない。

 人件費の増加に関しては、働き方改革が進んだことも作用している。1人あたりの業務量が増え、追加採用を急がざるを得ない病院が少なくない。結果として、人材獲得合戦が過熱して給与水準の上昇につながり、人件費全体を押し上げることになっている。

 人材確保が困難な地方などでは、人件費増にとどまらずさらなる弊害につながっている。人材を引き抜かれた病院では医師などのスタッフ不足が外来診療の受け入れ能力や病床稼働率の低下を招き、収入が減少する状況に陥ってしまっているのだ。

次のページ:「8割以上赤字」の背景にある3つの要因

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。