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河合雅司「人口減少ニッポンの活路」
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【医療崩壊】人口減少で「医師不足」に加えて「患者不足」に見舞われ地域医療が限界に 今後は人口が少ない地域では“医療を提供できなくなる”厳しい現実

人口減少時代の病院経営が直面する問題とは(イメージ)

人口減少時代の病院経営が直面する問題とは(イメージ)

 日本の公立病院の8割超が赤字経営という深刻な事態に陥っている。日本では人口減少が進む一方で、85歳以上の高齢者の人口は激増していく。その結果、救急搬送や在宅医療需要が拡大し、医師不足に拍車がかかることも予想される。人口の少ない地域では、「患者不足」のためにさらに病院経営が悪化し、地域医療が崩壊に追い込まれる可能性も高まっている。人口減少問題に詳しいジャーナリストの河合雅司氏が、今後の日本の医療が取り組むべき解決策を模索する。【前後編の後編。前編記事から読む

厚労省の「とりまとめ」が分類する医療機関の4つの機能

 今、病院・医療機関と住民の医療ニーズとの間のズレがどんどん大きくなってきている。このため、厚生労働省は、地域ごとに病院と診療所、介護施設などの機能連係と役割分担を図ることで、限られた医療リソースを最適化する「地域医療構想」を推進しているが、厚労省の青写真通りには進んでいない。

 そこで、同省の検討会は3月、2040年までの人口動態の変化を念頭に置き「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」(以下、とりまとめ)を策定した。重点を置いたのは、85歳以上人口が激増していくことへの対応だ。

「治す医療(急性期拠点)」と「治し支える医療(地域急性期・在宅)」を並立させるという方針を打ち出し、手術や高度な救急を担う機能を特定の病院に集めると同時に、在宅医療の体制を充実させることで患者の症状や特性に応じた医療が提供できるようにしようというのである。

 厚労省は、2040年時点における85歳以上の救急搬送が2020年比で1.75倍となる一方、在宅医療需要も1.62倍になると想定。病院に運び込まれる患者の多くは訪問医療で対応できると見込み、医療機関が今後担う機能を、次の4つに分類する。

■急性期拠点機能(高度な医療の提供)
■高齢者救急・地域急性期機能(高齢者の救急搬送を受け入れて早期リハビリや在宅復帰を支援)
■在宅医療等連携機能(在宅医療提供や介護施設との連携)
■専門等機能(特定の診療科に特化した医療などの提供)

 その上で、各医療機関と具体的にどの機能を担当するかを調整して決め、2028年度以降は受け持つ機能に応じた医療を提供してもらおうというのである。

 だが、これで公立病院の8割以上が赤字という地域医療崩壊の危機が回避できるかと言えば、疑わしい。

次のページ:立地条件が悪い公立病院が赤字なのは「患者不足」だから

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