いまあらためて高校野球のあり方が問われる(阪神甲子園球場)
甲子園――それは高校球児にとって“唯一無二の夢の舞台”だ。しかし今、その前提は静かに揺らぎ始めている。猛暑の中での大会運営や、連投する“鉄腕”を美徳とする考え方は、徐々に見直されつつある。
近年では、高野連に属さないチームや「甲子園を目指さない」という選択も生まれ、多様な野球のあり方が模索されている。根性論が重視された時代から、身体ケアや栄養、そして個人の意思を尊重する時代へという波が大きくなる日は遠くないかもしれない。野球のビジネスの裏側と未来を考察した、トクサンTVによる著書『野球ビジネス ベースボール・ファンから専門家まで楽しめる野球の教養』から一部を抜粋して再構成。
甲子園にコールドゲームがない不思議
高校野球では、2025年から夏の甲子園でナイターが導入されました。どうしても夏に全国各都道府県の代表が出場する大会を甲子園で開催したい場合は、ナイターという選択は良かったと思います。昨今の炎天下では、それしかないでしょう。
私も野球で育ち、野球に魅了されてきました。人生の財産ですし、今も野球に携わって生きていますから、野球の歴史を紡いでくれた先人たちをリスペクトしています。けれど、「遅いな」「おかしいな」と思うことはあります。
私はかねがね、春を全国選手権、夏をセンバツにすべきだと考えています。日常生活ですら熱中症の危険性が高まっている夏は、日数を短縮できる大会を開催したほうがいい。
また7イニング制の議論に関しても、個人的な意見ではコールドゲームの採用を希望します。学童、中学、大学、社会人と全国大会でコールド制度があるにもかかわらず高校野球の全国大会だけない。なぜだ――。
