球数制限は全員一律の制限ではなく個人に任せる考え方も
昔の高校野球では連投する“鉄腕”が美徳とされ、才能がありながらもケガでプロ入りできなかったり、大成できなかったりした選手もいたでしょう。根性論がいい・悪いとい うよりも、現実としては体のケア、そして栄養面の比重も大きかったと思います。
今ではプロテインを筆頭にマルチビタミンなど、疲労軽減や栄養を補うさまざまなサプ リメントがあります。EAA、BCAA、アミノ酸、アルギニン、シトルリン……それぞれの効能に合わせて選ぶことができる。疲労を体になるべく残さず、酷使した体を強化する栄養補助食品もあります。もちろん、食事だけで補えれば最高ですが、実際は家庭でそれをやるとなれば親御さんは大変。サプリをうまく使うほうが現実的です。
こういった栄養面を考えると、練習をすればするほど、昔はひたすら痩せていくような 状況だったでしょう。当時の野球人たちは、今の選手たちには間違いなく存在しないレベ ルの「気力」「覇気」を出して野球に向き合っていたのです。
また、球数制限ができたことはすごく良いことではありますが、高校生であれば全員に 一律の制限をかけるのではなく、個人に任せたらいい。もちろん、自分はプロを目指すから高校時代に摩耗しすぎてはいけないと考えるなら、指導者、先生、親御さんとしっかり会話をしてブレーキをどうかけていくかを話し合う必要がある。一方で、自分は高校野球ですべてを燃やし尽くすのだと考えている高校生も山ほどいるわけです。その子にとって球数制限は不完全燃焼の材料にしかならないので、本当に本人の意思であることを大前提として、球数については署名制にすればいいのではと考えています。
※トクサンTV著『野球ビジネス ベースボール・ファンから専門家まで楽しめる野球の教養』(クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋して再構成。
【プロフィール】
トクサンTV/野球YouTubeチャンネル。トクサン(本名・徳田正憲)は1985年生まれ。帝京高校で甲子園ベンチ入りを果たし、創価大学では主将としてリーグ首位打者や盗塁王を獲得し、ドラフト候補に。大学卒業後は警備会社に就職し、軟式野球日本代表(SWBC)でもプレー。2016年に「トクサンTV」を開設。自身の高い技術・理論、プロ選手とのコラボ動画が支持され活躍中。『野球ビジネス』の第8章はライパチ(大塚卓)が担当。