「喉仏」が残るとは限らない
最後に喉仏の話です。喉仏とは男性の喉の飛び出している軟骨のことを指しますが、遺骨の場合、第二頸椎(首の骨の一部)を「喉仏」と呼びます。これが火葬後に「座禅を組んだお釈迦様が手を合わせているように見えるリング状の遺骨」として残るのです。
お釈迦様の姿に似ているので、遺骨の中でも特に大切に扱われます。とはいえ、いつもきれいに残るわけではありません。特に亡くなった方が高齢の場合、骨密度が低くもろい状態なので、きれいに残りづらい。割れていたり、欠けていたり、人によっては完全に崩れてしまって見つからない場合もあります。私の経験ではロストル式で喉仏の形をとどめているのは5割くらい、台車式ならもう少し確率が上がるかな、という印象です。
以前喉仏にこだわりのある遺族がいらっしゃいました。市内の火葬場はロストル式、市外の火葬炉は台車式でした。ただ市外の申込みだと火葬料金が跳ね上がるだけでなく、移動時間もかかり、さらには予約可能な枠が少ないため順番待ちの日数がかかります。結局市内のロストル式をお選びになり、喉仏も残ったので、良かったのですが。
人体標本レベルか、原型を留めないか。きれいに残っているほうがいいかと思いきや、遺族の中には「遺骨が原型をとどめすぎていたため、生々しかった」とショックを受ける人もいるのが悩ましいところです。
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【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に『子供に迷惑をかけないお葬式の教科書』。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
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