「相続家族会議」をスムーズに進める方法を専門家が解説
相続をスムーズに進めるためには、生前に家族で話し合うことが不可欠だが、誰がどう呼びかけるのか悩ましく、いざ集まっても議論が紛糾してしまうケースが珍しくない。どうすれば揉めずに家族会議を開くことができるのか。専門家が指南する。【前後編の前編】
会議前の十分な根回しが重要
相続専門行政書士で、これまで1000人以上の相続相談を受けてきた中田多恵子氏が指摘する。
「滞りなく相続手続きを進めるには、親が生きているうちに家族会議を開き、みなが納得するよう意見をすり合わせたうえで遺言書を作成することが重要です。しかし、『親の死』というセンシティブな事態を想定した話し合いゆえ、いつ誰がどうやって呼びかけるのか、その切り出し方が難しい。結果、家族会議をしないまま親が亡くなってしまい、相続トラブルに発展するケースが珍しくありません」
家族会議はどのように準備すべきか。
「まだ元気なうちに親から子に持ちかけるのが望ましい。ただし親の判断能力や健康状態が不安ならば、子供から切り出してもいいでしょう」(中田氏。以下「」内は同じ)
問題は「呼びかけ方」だ。ここでボタンを掛け違えると、その後の話し合いがこじれやすい。
「親から呼びかける場合、『今後のことを話しておきたい』という親としての希望を重くならずに伝えれば十分です。気をつけたいのは子供から切り出す場合。『財産の分け方を考えたい』とストレートに伝えると『俺に死んでほしいのか』など感情的な反発を招きやすい。『お父さんとお母さんの今後が心配だから、いざという時のために話しておきたい』という言い方で、“親を支えたい”姿勢を前面に打ち出すことが肝要です」
