明治42年(1909年)の新聞広告(味の素提供)
5つ目の基本味として世界的に認められるまで
更に1968年には、アメリカで「チャイニーズ・レストラン・シンドローム」が取り沙汰され、グルタミン酸ナトリウムが灼熱感等をもたらすと指摘された。ただし後に、アメリカのFDA(食品医薬品局)や国際機関が、グルタミン酸(うま味調味料)の影響は事実ではないと結論付けた。いわば風評被害である。同社グローバルコミュニケーション部マネージャーの小幡重人氏が補足する。
「うま味成分のグルタミン酸はアミノ酸の一種で、植物でも魚でも、その体内に存在するものです。『味の素』の主成分であるグルタミン酸ナトリウムのグルタミン酸は元々昆布から見つかったものですし、イタリア料理で重要なトマトやチーズ、東南アジアでよく使われる魚醤にも豊富に含まれています。
また人間の舌で感じる基本味は、酸味、甘味、苦味、塩味の4種類だと考えられていました。1900年代前半に池田菊苗博士がうま味を提唱してからも長らく基本味として認められていなかったのですが、2000年にマイアミ大学の研究チームがうま味の受容体を発見したことをきっかけに、5つ目の基本味として世界的に認められました。
うま味は、『日本人だけが言っている特殊な味』ではなく、人類が普遍的に感じていた味だということが分かり、欧米の人の受け止め方が変わったのです。現在では、うま味は5番目の基本味として当たり前に活用されていますし、海外の辞書にも載っています」
