令和のIPO創業者「保有株時価総額ランキング」TOP100を紹介
生き馬の目を抜くビジネスの世界で新興勢力として注目を集めるのが、新規上場(IPO)した企業だ。上場によってビジネス拡大の資金調達が叶うとともに、株を保有する創業者は巨額の資産を手にする。令和の世を迎えて7年あまり。日本株の急騰が注目を集めるなか、どのような“IPO億万長者”が生まれたのか。それを知れば、この国のビジネスの最前線で何が起きているのかも見えてくる。【全文】
1位は「ビズリーチ」を手掛けるビジョナル・南壮一郎社長
スタートアップ企業が新規上場する意義について、経済ジャーナリストの森岡英樹氏はこう語る。
「IPOは資金調達の面で大きなステップを踏むイベントになります。銀行などの間接金融に加えて資本市場からのアクセスが確保できれば、急成長中のスタートアップにとって大きな意味を持つ。上場による知名度向上は、人材採用面でもメリットが大きいと言えます」
その局面で大きな資産を手にするのが創業者だ。
「特に近年はスタートアップの創業者が新規上場で大きな富を得るケースが目立ちます。それは保有する株式の時価総額を確認することで見えてきます」(同前)
本誌『週刊ポスト』は東京商工リサーチ協力のもと、令和(2019年5月1日以降)に上場した企業を抽出。保有株数の時価総額を試算し、上位100人の創業者のランキングを作成した(別掲表参照)。
「スタートアップはニッチな事業分野に登場する傾向がありますが、ランキングにはAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)関連のほかクラウド上で使うソフトウェアを開発・提供するSaaS企業などが目立ちます。比較的少人数で立ち上げられ、時流に乗れば成長も早い事業分野。コンサルティングファームを経て起業した人も多い印象です」(森岡氏)
保有時価総額が1000億円を超えて1位になったのが、転職サービス「ビズリーチ」を手掛けるビジョナル・南壮一郎社長(50)だ。
6歳から13歳までをカナダで、中学・高校時代を静岡で過ごした南氏は米タフツ大を卒業後にモルガン・スタンレー証券に就職するが、幼少期からの夢だったスポーツビジネスに携わるべく2003年に独立。2004年に三木谷浩史氏のもとで楽天球団準備室の一員となった。南氏を取材した『経済界』編集局長の関慎夫氏は、楽天での経験がビジョナル創業の原点と見る。
「ITを取り入れて合理的・効率的に集客する三木谷氏の手法を間近に見ることで、同様の方法で様々な社会課題を解決できると実感したことが起業の動機になっている。幼少期を父親の仕事の都合で海外で過ごした経験などから『環境が変わること、新しいことを始めることに全く抵抗がない』と話していました」
