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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】マイクロアド Research Memo(7):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進

*12:07JST マイクロアド Research Memo(7):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進
■今後の見通し

(3) 生産性向上施策
マイクロアド<9553>は、今後1~2期で売上高200億~220億円、営業利益15億円の達成を目標に掲げており、その実現に向けて、人員増強による営業体制強化と、生産性向上を軸とした収益構造改革を推進している。2026年9月期中間期の売上高及び各段階利益は計画を上回って推移しており、営業利益15億円の達成が射程圏内に入りつつある。これを踏まえ、足元では次なる成長フェーズを見据えた新たな事業戦略や目標設計にも着手している。同社の成長戦略の特徴は、単純な人員拡大型ではなく、生産性向上を通じて効率的に利益成長を実現しようとしている点にある。従業員数の増加を抑制しながら販管費率の低減を図る方針を掲げており、増員した営業人員についても、単なる人数増ではなく戦力化を通じたトップライン拡大へつなげることを重視している。

生産性向上に向けた取り組みとしては、営業活動へより多くの時間を配分できるよう、生成AIを活用した業務改革を進めている。具体的には、社内チャットボットを導入し、同社の200社以上のパートナー企業から提供される膨大なデータの中から、「顧客の業界」や「訴求サービス名」を入力するだけで、最適なペルソナとデータ加工の組み合わせを瞬時に提案するシステムを構築した。これにより、ナレッジアクセスを効率化し、必要な情報を迅速かつ正確に取得できる体制を整備している。さらに、営業担当者が行っていたレポート作成などの定型業務の自動化・削減を推進し、営業1人当たりの提案数も1.5倍へ拡大している。また、新人営業社員向け教育におけるAIロールプレイングも今期より本格的に稼働している。従来は先輩社員が顧客役を務める形で営業研修を実施していたため、営業人員の工数が教育業務に割かれていた。しかし、現在はAIを顧客役として活用することで、様々な顧客パターンを想定した実践的なトレーニングが可能となっている。これにより、先輩社員は本来の営業活動へより多くの時間を充てられるようになったほか、新人側も短期間でスキル習得を進めやすくなっており、新人教育の効率化及び営業提案の質の向上に大きく寄与している。

足元では、こうした個別施策をさらに発展させる形で、AI時代を前提とした事業戦略全体の再構築を進めている。同社は、AIに代替されやすい低付加価値領域については積極的にAI化を進める一方、商品企画、技術基盤、顧客リレーションといったAIに代替されづらい高付加価値領域へ人的リソースを重点配分する方針を明確化している。商品企画や技術基盤に関する業務や顧客との関係性構築等、高付加価値領域を最大化することで、グループ全体の収益性向上を目指している。具体的には、低付加価値領域において、自社開発AIツールを活用した業務効率化や、システム開発のAIネイティブ化を推進している。一方で、高付加価値領域では、UNIVERSEを軸としたデータ活用による新規事業投資や、周辺領域におけるM&Aの具体的検討を進めている。また、顧客接点の拡大に向けては、直近の2026年6月に国内8拠点目となる京都支社を新設した。海外3拠点と国内8拠点の連携による新規事業展開に加え、これら国内の全拠点と約900社の代理店ネットワークを活用し、都市と地方の情報ギャップを埋める事業にも取り組んでいる。AI活用によって創出した人的リソースを成長領域へ再配分する構造改革を進めている点は、同社の中長期的な利益成長余地を考えるうえで重要なポイントといえる。

加えて、粗利生産性の改善に向けた取り組みも進展している。従来オフショア開発拠点として位置付けられていた中国・瀋陽の子会社を清算し、業務を国内へ移転する施策を実施したことで、開発原価の削減が進んでいる。これにより、2026年9月期は粗利率改善への通期寄与が見込まれている。また、グループ内での人員最適化も推進しており、子会社と本社間で人的リソースを共有することで、外部流出していた業務委託費や開発原価の抑制を進めている。単なるコスト削減ではなく、内部リソースの再配置を通じた収益構造改革であり、その効果が足元の利益率改善として顕在化している。

(4) 事業アップデート
同社では、UNIVERSEのデータ及び分析力を軸として、BtoB・BtoC双方へ事業領域を拡大し、総合データカンパニーに向けて事業のアップデートを進めている。

海外事業では、従来のオンライン施策に加え、オフラインマーケティングやIPコラボ商品の実店舗販売に向けた事業連携を強化している。その一環として「流通戦略室」を新設し、流通小売企業とメーカーをつなぐ機能を担う体制を整備した。訪日客向けオフラインマーケティング施策の強化を進めており、第1弾として(株)スギ薬局との連携を通じて、メーカー向けの訪日台湾人向けマーケティングを開始している。海外事業に関して、過去には為替変動リスク等も存在したものの、現在はリスクヘッジを適切に進めている。また、中国関連の地政学的リスク等についても、事業運営に大きな影響が生じない範囲でコントロールできている。

また、子会社のIPmixerが中華圏で日本企業の実店舗運営支援を行うPAL FILLER CO., LTD.を完全子会社化した。これにより、IPmixerが提供するIPコラボ商品の展開や、日本企業の海外進出におけるオフライン施策支援が可能となった。オンラインデータ活用と現地流通支援を組み合わせることで、海外事業の一体運営を強化する。2026年9月期通期業績への寄与は限定的になる見通しであるが、中長期的なシナジー創出余地は大きく、今後案件数や実績が積み上がることで、本格的な連携効果につながっていくと弊社では見ている。

TikTok関連事業では、(株)UNIVERSE PULSEを通じて新たな施策を開始している。D2Cブランド「パルス食堂」を立ち上げ、TikTok Shopのノウハウと消費行動データを活用し、冷凍食品D2C領域へ参入した。第一弾商品として「極太麻婆春雨」を公式オンラインストア及びTikTok Shopで全国販売している。さらに、登録者76万人超の子育て支援YouTubeチャンネル「うたスタ」と連携し、TikTok LIVEでライブコマース番組を開始した。知育玩具や生活家電など子育て層向けの商品を扱う出店企業の売上最大化支援を進めており、コンテンツ・データ・販売支援を組み合わせた新たな事業モデル構築が進んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)

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