美容医療への関心が高い高校生も(写真:イメージマート)
いま若い世代の美容意識に、SNSが大きな影響を与えている。前編記事では、「骨格ストレート」「口ゴボ」「Eライン」「スペ110」といった、美容や体型に関する言葉が若年層の会話に入り込んでいる実態を紹介した。子どもたちが自分の顔や体を細かく分類し、採点するような感覚を持ち始めていることに、不安を感じる保護者も少なくない。
さらに高校生や大学生になると、メイクやファッションの延長線上として、美容整形への関心が強まる傾向にあるという。いま子どもたちのために、学校・保護者に求められるのは、どのような対応か──。【前後編の後編】
「あの人『垢入り』したよね」と軽く言う高校生の娘
自営業女性・Aさん(40代)は、高校1年生の娘が美容医療の話題を日常的に口にすることに戸惑っている。
「娘はメイクもファッションも好きで、それ自体はいいと思っています。でも、『口元が出ているから矯正したい』『鼻先が丸いのが嫌だから、細くしたい』『はやく二重にしたい』など、美容医療の言葉がすごく身近。
一日中、インフルエンサーやキャバ嬢の動画を眺めているからなのか、本人は深刻に悩んでいるというよりも友達と話す流れで軽く言っている感じ。でも、その軽さが逆に怖いんです」(Aさん)
Aさんによれば、娘のSNSには美容整形のビフォーアフターなどの「症例」コンテンツや、横顔のEラインを測る動画、骨格や顔タイプを分析する投稿が頻繁に流れてくるという。
「最近驚いたのが、娘の口から飛び出した『垢入り』という言葉でした。『垢抜け』の反対の言葉らしく、『アイドルの○○ちゃん、このスタイリングだと“垢入り”して見えるよね?』とテレビを見ながらケラケラ笑っていたんです。娘によれば、友達のあいだでは『垢抜け』が一番のキーワードらしく、『どうすれば垢抜けられるか』が話題にのぼることも多いそうで……。自分や他人の内面を見る前に、まず見た目で相手の価値を判断することに疑問を感じなくなるのではないか、親として不安です」(同前)
Aさんは、親の言葉が娘の心に届かないことへの葛藤もあるという。
「親としては、『あなたはそのままでかわいいよ』と言いたい。でも娘からすると、それは慰めにしか聞こえないようで、まったく響いていない様子。一度、『あの子は親ガチャ成功して羨ましい。私だって、あの顔に生まれていたら悩まなかったのに!』と言われたとき、なにも言い返せませんでした。『ごめんね』以外の言葉が出てこなかった自分が不甲斐なく、子育ての難しさを感じる日々です」(同前)
