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【注目トピックス 日本株】アーレスティ Research Memo(3):独自技術とグローバル供給体制で競争優位性を構築(1)

*11:33JST アーレスティ Research Memo(3):独自技術とグローバル供給体制で競争優位性を構築(1)
■アーレスティ<5852>の事業概要

1. 経営環境
(1) 産業の動向
主要販売先である自動車業界では、環境規制の強化や脱炭素社会への移行を背景にCASE※1が進展しており、自動車メーカー各社は電動車(BEV・HEV・PHEV・FCV)※2へのシフトを進めている。足元ではBEV需要の伸びが一時的に鈍化しているものの、HEVやPHEVの需要は堅調に推移しており、電動化の流れ自体に大きな変化はない。

※1 CASE:「Connected(コネクティッド)」「Autonomous/Automated(自動化)」「Shared(シェアリング)」「Electric(電動化)」の頭文字をとった造語で、自動車産業の今後の方向性を示すキーワード。
※2 BEV(Battery Electric Vehicle):ハイブリッド車と異なりエンジンを使用せず電気を唯一の動力源とする自動車。HEV(Hybrid Electric Vehicle):内燃機関と電動モーターを組み合わせたハイブリッド車(外部充電は不可)。PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle):外部充電が可能なハイブリッド車。FCV(Fuel Cell Vehicle):水素をエネルギー源とする燃料電池車。

自動車の電動化は同社にとって重要な成長機会である。HEVやPHEVでは、エンジンやトランスミッションに加え、インバーターやコンバーターなどの電気制御部品が搭載されるため、ダイカスト使用量は従来のICE※比で約120%に増加する。一方、BEVやFCVではエンジン関連部品を必要としないが、モーターハウジング、減速機、バッテリーケースなど新たな需要が生まれるほか、航続距離向上に向けた軽量化ニーズの高まりからアルミニウム部品の採用拡大が期待される。

※ ICE(Internal Combustion Engine):内燃機関(ガソリン・ディーゼルエンジン)を使用する自動車。

同社の新規受注品や量産立ち上げ製品の多くが電動車関連部品で構成されている。2031年3月期には電動車向け製品の売上比率をダイカスト事業売上高の55%まで引き上げる計画であり、電動化関連部品を中心とした受注拡大を進めている。また、電動化の進展に伴う自動車メーカーのアウトソーシング需要の拡大や、足回り部品など従来ダイカスト化が進んでいなかった構造部品分野への展開も成長機会になると見られる。

(2) 地域別の動向
北米市場では、自動車メーカー各社は電動化投資を継続する一方で、収益性を重視する姿勢を強めており、サプライヤーには品質・コスト競争力の向上が求められている。また、米国では人件費やエネルギーコストの上昇が継続しており、自動車部品メーカーにとっては生産性向上や価格転嫁の推進が重要な経営課題となっている。同社においても北米事業の収益改善を重点課題の1つとして位置付けており、米国・メキシコ拠点の一体運営や生産体制の最適化を進めることで収益力の向上を図っている。

中国市場では、世界最大の自動車市場として電動車の普及が引き続き進展しているものの、市場競争の激化や価格競争の長期化などにより事業環境は変化している。特にEVメーカー間の競争は激しく、一部メーカーでは販売動向の変化も見られることから、自動車部品メーカーには柔軟な生産体制やコスト競争力が求められている。同社においても一部主要顧客向け需要の変動が見られており、中国拠点の最適化を進めながら収益性の向上に取り組んでいる。

一方、インド市場は人口増加や所得水準の向上を背景に自動車需要が拡大しており、世界でも有数の成長市場として注目されている。同社においても受注量は増加基調で2024年12月に竣工した第2工場の稼働率は既に高水準に達している。今後もモータリゼーションの進展や経済成長を背景に市場拡大が見込まれることから、同社ではインドを中長期的な成長ドライバーの1つとして位置付けている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)

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