ヒューリックの展望とは(時事通信フォト)
不動産大手・ヒューリックの動向が注目を集めている。7月7日には東大受験に強みを持つ進学塾「鉄緑会」の運営会社の完全子会社化を発表。同社の2026年12月期の第一四半期決算での減益は、2024年に買収した学習塾グループの「のれん償却」が要因とされているが、そのなかでさらに教育事業を手がけようとするのは、どのような狙いからなのか。同社のビジネスモデルが向かう先はどこなのか──。
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表面上の減益が示すものは何か
ヒューリックの2026年12月期第1四半期の営業収益は2268億4100万円で、前年同期比で44.8%増えた。一方、営業利益は311億7100万円で2.0%減、経常利益は269億8600万円で3.6%減だった。親会社株主に帰属する四半期純利益は181億4100万円で、5.6%増えている。
営業利益と経常利益を押し下げたのが、連結子会社化したリソー教育に関する追加的なのれん償却である。のれんは、企業の買収額のうち、取得した純資産を上回る部分をブランド力や将来の収益力として資産計上したものを指す。この追加償却額は69億6100万円で、第1四半期ののれん償却額である89億5500万円のうち大半占めた。
この特殊要因を除くと、営業利益は381億3200万円で前年同期比19.8%増、経常利益は339億4800万円で21.1%増となる。特に、不動産事業以外をまとめた「その他」セグメントも、追加的なのれん償却を除けば営業利益21億5300万円となり、前年同期より14億900万円増えている。
このうち、新たに連結したリソー教育、鉱研工業、クックデリの3社は、特殊要因を除いた営業利益を合計8億円押し上げている。ただし、この数字は3社合計であり、リソー教育単独の寄与額は不明だが、少なくとも、第1四半期の営業・経常減益だけを見て、教育事業が本業の足を引っ張ったとは判断できないだろう。
ヒューリックは「不動産会社」の先に何をつくろうとしているのか
2029年12月期の中期目標では、不動産事業も事業利益を増やすとしている。2026年までの中期計画の事業利益は、不動産事業が2150億円、新規事業等が180億円だったが、2029年12月期の計画では、不動産事業が2270億円、新規事業等が670億円を目指す。
2026年から2029年までの増加額は、不動産事業が120億円であるのに対し、新規事業等は490億円に達する。利益成長の傾斜を、新規事業側へ移す計画と読める。一方、2036年を目指す長期計画では、経常利益3000億円のうち、不動産事業が6~7割を担う想定である。不動産を基盤に残しながら、周辺事業の利益を厚くする構図が浮かぶ。
同社はこの構想を「不動産の商社化」と表現する。M&Aや事業連携によって、不動産や資金だけでなく、物件情報や不動産の開発・運営ノウハウ、ネットワークなども異なる事業に展開する考え方である。2036年までの投資枠は7500億円。新規事業等が担う経常利益は、計画上900億~1200億円に相当する。
では、その新規事業のひとつである教育事業は、不動産事業とどう組み合わされ、鉄緑会の買収によって何が変わるのか。
※本記事作成の一部に、生成AIの技術を活用しています。
