大阪ミナミの飲食店ではクレカ使用不可の貼り紙が続出中(右写真:イメージマート)
クレジット決済代行会社の突然の倒産が、大きな波紋を広げている。街ではカード決済が突然使えなくなて利用客に混乱が広がるとともに、店舗側には多額の未回収金が発生している。一体、何が起きているのか。
「回収なんてできそうにない…」
〈当面の間お支払いは現金のみでお願いします〉──7月上旬のある夜を境に、大阪ミナミの繁華街にはそう記した張り紙を店先に掲げる飲食店が続出した。創業65年の老舗ふぐ店のオーナーはこう振り返る。
「7日夜のことです。常連さんがクレジットカードで支払いをしようとしたら、何度試みても決済端末にエラーが出て完了できない。カードに不具合があるんじゃないかということで現金をいただきましたが、翌日に決済代行会社の倒産報道があってそれが原因だとわかった。カードを使えなかったお客さんには恥をかかせたことになり、慌ててお詫びの連絡を入れました。
常連さんに申し訳ないというだけでなく、決済代行会社からの未払い金が100万円程度残っている。その後の報道を見る限り、回収なんてできそうにない……」
倒産したのはクレジットカードの決済代行を手掛ける全東信(大阪市)。7月6日、大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債総額は1151億円に上り、年初来最大規模の破産となった。
全東信の顧客は中小や個人経営の飲食店などが中心。破産申請時は全国約20万店が加盟していた。
破産手続き開始前日の5日までに同社のサービスで決済された未払いの売上金は全東信の資産として扱われるため、加盟店が回収できる見通しは立っていない。破産管財人によるとその金額は全国で53億円超に上る。
飲食店などでカード決済された売上金を、カード会社に代わって早期に立て替え払いし、店側から手数料を得るのが全東信のビジネスモデルだ。通常なら決済翌月や翌々月の入金となるところ、全東信は週数回、月数回など手数料に応じて複数の入金日を設定していた。
