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【特別対談・『地面師vs.地面師』森功氏×『地面師連絡役カトウ』河合桃子氏】地面師事件に惹かれる理由 積水ハウス55億円詐欺事件に「真相は闇の中。だから面白い」

地面師詐欺事件を追ったふたり

地面師詐欺事件を追ったふたり

「詐欺師は9割5分、本当のことを言う」

森:地面師詐欺の立件はハードルが高い。警察には地面師を専門にする捜査官がいるんですが数人で、数が少ないんですよ。その上、「私が騙しました」と犯意を自白する人間を捕まえないと詐欺は成立しないから、捜査がすごく難しいんです。

 地面師事件は詐欺の実行犯がなりすまし役なので、このなりすまし役さえ逃してしまえば、あとの人間は「なりすましに騙された」と言えるんです。実際カミンスカスもそう主張している。

河合:ただやっぱり、複数の事件で同じ人が関わるというのは特徴で。カトウも収監中、「お前はこの人を知っているか」と、顔馴染みの地面師をよく見せられたそうです。

森:下っ端の人間は入れ替わり立ち替わり登場するけれど、大きな絵を描く「大物地面師」と言われるのは数が少なく、せいぜい10人くらいしかない。

河合:カミンスカスは「私もなりすまし役に騙された」と主張するので、一緒に動いていたカトウに何度も確認したんです。カトウは罪を認めているので彼の主張は「さすがに無理があるんじゃないか」と言っていましたが。

森:カミンスカスは「主犯は他にいる」という主張なんだろうなと。たしかに、彼が加わる前に元々絵を描いていた奴がいて、彼はその計画に後から加わった。だからこそ、“主犯”が普通は行かない取引現場にも行っている。「自分は主犯じゃない」という主張にも一理あると、最終的に僕はそう思いましたけどね。

河合:地面師たちは、ドラマみたいに自分を「地面師」だなんて言わないんですよね。現場でもなりすまし役のことを「地主」と呼んで、詐欺なんてしていないと言える状況を作っていく。

森:僕たちも彼らに取材するわけだけど、彼ら詐欺師は9割5分、本当のことを言うんですよ。で、残りの5分で嘘をつく。だから嘘を見極めるのが難しいし、詐欺師という業界が成立する。

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