年内学力入試で面接必須化の影響は?
関西で長く定着し、近年は関東にも広がり始めた「年内学力入試」が岐路に立たされている。「年内学力入試」は年内に行う推薦・総合型選抜でありながら、英語や国語、数学などのペーパーの学科試験の得点を重視するものだ。そのため、一般選抜を目指す受験生が受けやすいため人気が高い。
ところが文部科学省が年内の推薦・総合型選抜で面接を必須とする方針を示したためだ。数千人規模の合格者を出す大学にとって、全員への面接実施は大きな負担となる。そのため、年内学力入試を行うのを止める大学も出てきた。学力試験と併行しながら多面的な評価をどう実現するのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』などの著書があるノンフィクションライター・杉浦由美子氏が今後を展望する。【東西受験文化の違い・全3回の第3回】
「年内学力入試」が岐路に立たされている
年内学力入試──年内に行われる推薦・総合型選抜でありながら、国語や英語などの学科のペーパー試験を重視する入試だ。2024年度から関東の東洋大学などが導入したが、関西では30年前から行っており、公募制推薦と呼ばれる。近畿大学の公募制推薦は5万人以上が出願する。関西の大学受験には「あって当然のもの」なのだ。
この年内学力入試が岐路に立たされている。今回はなぜ岐路に立たされているか、そして、大学はどう対応していくのだろうかを見ていきたい。
2024年に関東でも年内学力入試が開始された。東洋大学が2万人の志願者を集めたことで話題になった。ところがこの動きに対して、「年内学力入試で行う推薦・総合型選抜において学科試験の得点だけで合否を決めるのはいかがなものか」という疑問が起きた。2025年には小論文や調査書、面接などと組み合わせる形なら、年内の推薦・総合型選抜でペーパーの学科試験を課していいと文部科学省が認めた。そのため各大学は、配点を「国語や英語の学科試験200点、小論文10点、調査書10点」というように工夫して入試を行った。つまり、実際には学科試験の得点で合否が決まるようにしたのだ。ところが2026年に文部科学省が通知した『令和9年度大学入学者選抜実施要項』では、年内の推薦・総合型選抜では面接を必ず行うことと書かれている。面接が必須化されたのだ。
大学側からすると、ペーパーの学科試験中心なら大量の受験者を受け入れられても、面接を実施しなければならないとなると、入試の手間が一気に上がる。
