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ビジネス
半導体投資で億り人へ 次の勝ち筋
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元キオクシア研究開発者の億り人・もふ氏が読み解く半導体の構造進化 主役は「前工程」から「後工程」へ、「AIの登場で技術の主戦場が変わった」

半導体の技術トレンドがどう変わったのか(Getty Images)

半導体の技術トレンドがどう変わったのか(Getty Images)

 生成AIブームによる需要の拡大を受けて「半導体」業界が大きな注目を集めている。日本では半導体メモリ大手・キオクシアホールディングスの株価が一時は上場から約1年半でおよそ70倍にまで急騰した。ただ、半導体関連と一口に言っても、その技術は複雑で裾野は幅広い。業界の構造はどう変化しているのか――「元キオクシア研究開発者」という経歴を持つ億り人が解説する。

前工程はもう限界 主役は”後工程”へ

 話を聞いたのは、2003年からソニーや東芝で世界最先端の半導体研究開発に携わってきた投資家のもふ(菊地夏紀)氏だ。株式投資の累積利益は約2億円、不動産投資は投資総額で約9億円にのぼり、2019年の退職後はYouTubeなどで情報発信を続けている。

 半導体の技術トレンドがいまどこに向かっているのか。もふ氏に業界構造の変化を尋ねると、こう語ってくれた。

「主役は部材を薄く削って正確に切り、チップ同士を接合したり組み合わせるという『後工程』に移ってきています。少し複雑な話ですが、この30年ほどは半導体の性能を決めるのは頭脳の役割を果たす半導体である『CPU』の微細化でした。トランジスタという回路の部品をどんどん小さくすることで処理性能を上げてきたわけですが、これ以上小さくするのが技術的に難しい段階に来ているんです。

CoWoSのイメージ(TSMCのHPより)

CoWoSのイメージ(TSMCのHPより)

 台湾の半導体製造企業・TSMCが手がける最先端の世代のCPUでも、微細化による従来のような性能向上はもう大きくは見込めなくなっています。だったら周辺の設計を工夫して、年間20~30%のペースで性能を底上げしていこうという流れになっており、TSMCはCoWoS(Chip on Wafer on Substrate)という半導体を組み合わせたチップレットの開発に力を入れています。米国のエヌビディアは計算処理を担う半導体の『GPU』を手がけますが、もうGPU単体の勝負だけでは足りないと数年前から気づいており、NVIDIAのGPUはCoWoSやさらに発展させたCoWoS-LなどでGPUとメモリのHBMをワンチップに結合させ爆速のGPUを開発しています」(以下、「」内のコメントはもふ氏)

NVIDIAのRubin GPU。TSMCのCoWoS-Lで3次元実装されており、GPUとHBMを1パッケージになっている。中央にあるのがGPUで、上下に4個ずつ配置されているのが高速AIメモリのHBM。GPUとHBMを1チップに直結することで爆速にしている(NVIDIAのHPより)

NVIDIAのRubin GPU。TSMCのCoWoS-Lで3次元実装されており、GPUとHBMを1パッケージになっている。中央にあるのがGPUで、上下に4個ずつ配置されているのが高速AIメモリのHBM。GPUとHBMを1チップに直結することで爆速にしている(NVIDIAのHPより)

 エヌビディアが打ち出した次の一手について、もふ氏はこう続ける。

「エヌビディアが打ち出したのが『エクストリーム・コデザイン』という考え方です。GPUだけを磨いても限界があるので、CPUやメモリまで含めたサーバー全体を一気通貫で設計してしまおうという発想です。

 微細化だけに頼らず、『GPU』『CPU』、半導体メモリの『DRAM』『HBM』『SSD』などを丸ごと見渡して設計されているのが、次世代AIプラットフォーム『Vera Rubin』です。AIが人に代わって考え、複数の作業をこなしながら自律的に動く“AIエージェント”の時代を支える基盤として位置づけられています」

 エヌビディアは2026年1月に基本構想を発表し、3月にはCPUとGPUを含む新設計チップ6個で構成される仕様を公開。今後はパートナー経由での出荷を始めている。

次のページ:後工程シフトの恩恵を受ける企業
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