恒大集団の巨大なマンション群(Getty Images)
行き詰まりを招いた政策判断を振り返る
習近平・国家主席は、市場を立て直す方針を繰り返し示してきた。2024年に主宰した政治局会議では、不動産市場の下落を止め、安定を取り戻すと表明した。住宅建設への融資を後押しし、家を買う際の制限も見直す方針だった。ところが、中国の国家統計局によると、今年1~8月の不動産開発投資は前年同期から約2割減った。新築住宅の販売も、開発会社が集めた資金も前年を下回る。
この行き詰まりを招いた政策判断を振り返りたい。習指導部は2020年、開発会社の借り入れを制限した。借金を重ねて土地を取得し、住宅を建て続ける経営に歯止めをかけるためだ。借金が多すぎる会社や、手元の現金が少ない会社は、新たに借りられるお金を制限された。
ロイターは、この規制が開発会社の資金難を招いたと分析している。工事や返済に回すお金が足りなくなり、借金を返せない会社が相次いだ。今年1月には、中国の政府系メディアを引用し、規制が事実上終了したと伝えた。借金を抑えるための政策が混乱を深め、指導部は規制を緩める方向へ動いたのである。
この資金難が、もともと危うかった住宅の売り方を直撃した。中国では、建物が完成する前に住宅を売り、買い手から集めた代金を建設資金に使う仕組みが広がっていた。銀行から借りるお金に加え、次の購入者が払うお金も工事を続ける支えだった。開発会社の資金が尽きれば、購入者が約束どおりに支払っていても、家は完成しない。
工事が止まった物件を見れば、新しく買う人も契約をためらう。売れなくなれば、開発会社はますますお金に困る。融資を増やすという政府の発表だけでは、買い手の不安は消えない。会社が当面の支払いをしのぐことと、住宅を買った人が安心して暮らせることの間には、大きな隔たりがある。
習氏は昨年末の講話でも、住宅の引き渡しを進めるための融資支援を求めている。今年8月には、政府が住宅ローンの実行を建物の完成後にするなど、購入者を守る新たな仕組みを打ち出した。制度の見直しは続く。そこで残るのは、すでに代金を払った人の損失をどう処理するかだ。これから売る住宅のルールを変えても、止まった工事が自動的に再開するわけではない。
