本当は連絡を取りたくないが…(イメージ)
遺品の整理中に家族も知らなかった事実が明らかになることがある。たとえば亡くなった父親に“隠し子”がいたと判明した場合、遺族はその相手に父の死を伝えなければならないのだろうか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【相談】
父が逝き、遺品の整理中にPCとスマホから隠し子の存在が判明しました。私からすれば腹違いの弟になります。ただし、父と彼は10年も連絡を取り合っていないようでした。こういう場合、腹違いの弟に父の死を知らせるのは遺族側の義務になりますか。遺産のこともあるので、連絡を取りたくないのですが。
【回答】
隠し子とは、認知されていない婚外子(非嫡出子)のこと。お父さんと当該隠し子との間には自然的血縁関係はありますが、非嫡出子なら親の認知がない限り、法的な親子にはなれません。そして、自然的血縁関係だけの親が死んだ場合、子は法的に親子でなければ相続できません。その認知は親からは任意にできますが、隠し子は認知の訴えを提起して、裁判所に親子関係を認めてもらう強制認知の制度を利用できるのみとなります。
認知の訴えは、たとえ親が死んでも検察官を被告にして提起できます。母子関係は分娩から自然的親子関係が明白であるため、認知がなくても、必要が認められれば親子関係存在の確認の訴えという手続きが可能になりますが、父親の場合は死亡してから3年を経過すると、法的な父子関係を確認する法的手段はなくなります。
