酒屋でちょっと一杯「角打ち」の魅力とは(渕田酒店)
酒屋の一角で酒を飲むことを「角打ち」と呼ぶが、これは福岡県北九州市発祥とされる。夜勤を終えた人が酒を飲みたいと思っても、朝は飲み屋が空いていない。そこで、酒屋で飲ませてくれないか、と頼んだことから始まったと言われる。そんな角打ちの魅力と酒屋が置かれた現状、そして集客の工夫を、佐賀県唐津市在住のネットニュース編集者の中川淳一郎氏が探った。
昼から飲める店は少ないから重宝される
今回行ってきたのは、佐賀県唐津市材木町の「渕田酒店」です。店主の渕田眞充さん(59)によると「唐津の中心街で角打ちをやっている店は以前は多かったけど、今はないですね。酒屋自体もこの通りに4軒あったけど、今はウチ1軒だけですよ」とのこと。ディスカウントストアが規模の経済を用いて安く酒類を販売するものだから、街の酒屋は苦戦していると言います。そんな状況下だからこそ、角打ちという特徴を渕田酒店は大事にしています。
渕田さんが子どもだった約50年前は、近所にパチンコ屋が 3軒あり、負けた後、酒屋の角打ちでヤケ酒を飲んでいる内にケンカが始まるなど殺伐とした雰囲気もあったと振り返ります。それが今、同店は和気あいあいとした雰囲気の角打ちになっています。常連に加え、「一次会開始前にちょっと一杯」といった形での利用が多いそうです。観光客はネットで「唐津 角打ち」「唐津 昼から飲める」などと検索をして、訪れてくれるとのこと。
これは、ネットに詳しい息子さんが元々「渕田酒店」とだけ書いてあったGoogleの店舗情報に「渕田酒店(角打ち、立ち飲み昼飲みやってます)」と追記したからこそ引っかかるようになった。この3つのキーワードを有する店は唐津には他にあまりないからこそ、観光客も惹きつけるようになったのでしょう。
私は現在、唐津に住んでいますが、全国各地から知人がやってくるため、飲み会がとにかく多い。宿泊をして帰る日、最後に昼飲みでもしようか、となるのですが、彼ら/彼女らのホテルのチェックアウト時刻である10時頃に営業している、お酒を飲める店は少ないんですよね。かつては朝7時から営業している居酒屋もあったのですが、残念ながら閉店。9時から開いているラーメン屋もあるのですが、多くの人が帰途につく月曜は定休日。となると、月曜日に昼から飲めるのは渕田酒店だけとなり、非常に重宝しています。
