入試本番で志望理由書を書かせるのはなぜか?
コロナ禍で面接が行えなくなってからは、代わりに試験会場で志望理由書を手書きで書かせている。
志望理由や将来の夢、得意科目・不得意科目などを記入してもらう。導入当初は学内でも「意味があるのか」という声が出たという。一般選抜は最終的に点数で合否を決めるため、志望理由書の内容そのものは配点に含まれていない。
ただ、須賀氏はこの志望理由書に別の価値を見出している。
「入学が決まった学生については、受験時にどんな思いで書いたか、なにが得意でなにが苦手だったかという情報が手元に残ります。これは普通の入試では手に入らないデータです」
今後は入学後の指導にこの記録を活用する仕組みづくりも検討しているという。
「年内入試」を専願メインにしている理由
一方で、総合型選抜は無論、面接を行う。10月の入試は専願、11月は併願可能(合格しても入学辞退ができる)が、これら年内入試の合格者のうち、入学率は97%で、ほぼそのまま神田外語大に入学をする。
総合型選抜は併願が可能な入試も多い。立教や中央も併願可の総合型選抜を行っている。また、津田塾大学も数年前から総合型選抜を専願から併願、つまり合格しても入学辞退ができるようにしている。日本女子大学や東京女子大学でも同じく併願可の総合型選抜を行っている。
ある塾の幹部がいう。
「年内に総合型選抜で女子大の合格を決めておけば、年明けの一般選抜の受験戦略がしやすくなります。とにかく早く合格がほしいと保護者も受験生も希望するようになってきました。その中で、難関志向の保護者に『津田塾の総合型選抜を受験しては』と薦めると『津田塾なら進学させたい』と言ってくれます」
これらの女子大は今でも保護者からの評価が高いため、学力上位層の女子が併願で受験してくる。志願者の数は増え、学力上位層の受験生も受けてくる。
一方で神田外語大が年内入試を専願メインにしているのは、「神田外語大で学びたい。4年間しっかりと語学を学ぶんだ」というモチベーションを重視した選抜をしているからである。
面接では入学後になにを学びたいかを深く尋ねる。サッカーが好きでスペイン語専攻を志望する受験生に対しては、「サッカーが好きというのと、うちで勉強したいというのはどうつながるのか」と踏み込む教官もいるという。用意してきた答えでは通用せず、その場で受験生の本心が見える瞬間があると須賀氏は話す。
年内入試の受験者は増え続けており、面接には相応の手間もかかるが、意欲を見極める場として、神田外語大は面接を重視している。
大学1年生の4月の段階で、一般選抜入学者の方が基礎学力は高い傾向にあるという。しかし、意欲という点では年内入試組は高いという。
一方でこうも言う。
「総合型選抜の拡大でやる気さえあればいいと誤解する方も増えていますが、基礎学力は必要です」
英検2級レベルを求めているが、入学にはそれに準ずるぐらいの英語力が必要とのことだ。