中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

稼ぎたければカネを使うべし。設備投資をケチって損する実例集

 あと、私は昔から若手芸人をバイトに雇って文章を書いてもらっていました。スマホ普及前の話だったのですが、スタッフブログを書くという仕事を頼みました。コンビに頼んでいたのですが、1人はPCを持っておらず、ガラケーで書いていました。しかし、ガラケーだと絵文字がつけられないという制約があったのです。絵文字というものは、一つ一つ選び、貼りつけるのは案外面倒くさい。こちらとしては、2人に絵文字付きの完璧な原稿をお願いしたかったのですが、1人は無理だという。そこで絵文字は私がPCでつけることにしました。

頑固は損

 最初の仕事の時に「いずれはPC買ってくださいね」と言い、二人のギャラは8万円と7万2000円としました。絵文字をつけられない方を安くしたのです。結果的にPCをその人が買うことはなく、さらには会議への遅刻・当日キャンセルなどが相次いだこともあり、クビにしました。

 私はこの感覚が分からないのです……。この人は仕事を3年ほどやってくれました。となれば、36×8000円=28万8000円という差がつくわけで、4万~5万円もあれば安いPCが買えるというのに、なぜ設備投資をしなかったのか、と思ったのですよ。お笑いのネタを作るにしてもPCがあった方がいいと思うのですが、頑なに「私はケータイで大丈夫です」と言い続け、ガンとしてPCを買わない。結局この頑固さと、遅刻・ドタキャン癖に呆れ、仕事を出すのをやめたのでした。

 そして、もう一人が、「この給料じゃやっていけない……。なんでもいいから仕事をまわしてください」という会社員・A氏です。これは私自身がかかわったことではありません。知り合いの編集者・B氏が経験したことです。A氏とは元々「貧困中年」の企画で知り合ったようです。その時に上記のお願いをされたそうです。B氏はある時、書籍を引用し、それの解説をするという仕事をA氏にお願いしました。書籍の中のかなりの部分を引用するため、キンドルをまずはPCにダウンロードし、そこからコピペをするという手順になりました。

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