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社労士が警告「いよいよ70歳定年・年金75歳受給の時代到来」

 割り増し制度を残したままの年齢の引き上げに前向きな姿勢だった。この有識者会議は『高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会』という長い正式名称を持つ。今年6月12日に設置され、必要に応じて改定される政府の「高齢社会対策大綱」の改定案を年末までにまとめ、閣議決定する予定となっている。安倍政権はこの大綱に年金受給開始年齢の「75歳選択制」を盛り込む可能性が高い。

“選択制なら従来通り65歳で年金をもらえばいいじゃないか”と考えるのは甘い。年金政策に詳しい社会保険労務士の北村庄吾氏は「いよいよ来るべきものが来た」と指摘する。

「日本の年金支給開始年齢はサラリーマンの定年とセットで引き上げられてきた。昔、定年が男性55歳、女性50歳だった時代は年金支給が5年遅れの60歳と55歳。1994年の高年齢者雇用安定法改正で定年が男女とも60歳に引き上げられると、年金支給も段階的に65歳に引き上げられ、70歳の繰り下げ受給も選択できるようになった。

 そして2013年4月に施行された改正案により希望者全員の定年が65歳に延長され、いよいよ年金も全員70歳支給になるということ。政府の審議会の75歳選択支給の議論は、選択制ではない完全な年金70歳支給は大前提で早くもその先、70歳定年制と年金75歳支給の時代が来ると見るべきです」

 安倍政権は内閣改造で失言大臣を更迭し、「働き方改革」を前面に押し出してスキャンダル政局からの場面転換を図ろうとしている。しかし、その内容は、友人が経営する加計学園には獣医学部新設で巨額の補助金を手に入れさせながら、「働ける元気な高齢者を支援する」と高齢者から年金を召し上げて“老後の生活費は自分で稼げ”というものなのである。

 年金支給開始年齢の70歳引き上げも、70歳定年制も国民には寝耳に水である。ましてや75歳支給など悪夢以外の何物でもない。

※週刊ポスト2017年8月11日号

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