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進む国民の貧困化 実質賃金はピークの1997年から15%減

 増税も国民を貧しくする。そもそも税は私たちの所得から政府への分配だ。増税が行われると、その分だけ物やサービスが買われなくなるのは自明。消費税は1997年に5%に、2014年には8%に引き上げられ、2019年10月には10%になる。さらに今後、所得税控除の見直しによる実質的な増税やタバコ増税、出国税・森林環境税の新設、高額所得者の年金控除も減額するなどといった増税案が決定、または検討されている。まさに怒涛の増税ラッシュである。

 徴収した税金以上に政府が支出するなら、分配が変わるだけだから経済にダメージはない。が、増税分を借金返済に回すと、国民の所得が増える要素はない。

 亡国のタイムリミットは2020年だ。2019年の消費増税、残業規制による残業代の削減、東京五輪のインフラ整備終了などにより、20兆~30兆円の所得が減る可能性が高い。現在のGDPはおよそ500兆円だから、4~5%マイナス成長になるだろう。「2020年亡国」への道をまっしぐらに進んでいることを全国民は認識する必要がある。

【PROFILE】三橋貴明●1969年熊本県生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒業。2008年に中小企業診断士として独立。著書多数。近著『財務省が日本を滅ぼす』(小学館刊)が話題。

※SAPIO2018年1・2月号

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