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ビジネスの本質はウェブでも変わらない 感情で顧客は価値を峻別する

「顧客の感情を考える上で、シチュエーションは極めて重要です。シチュエーションによって、感情が左右されるからです。したがって、こちらが望む顧客はどこにいるのかを考えるマーケティングが大事になってくるのです。1つだけわかりやすい例を挙げましょう。私の住んでいるマレーシアでは、よく、駅前とかホテルの前に、タクシーが行列をしています。お客がいないときは、かなりの時間を浪費することになります。お客が来ても、行く先は近場で済んでしまうことが多いはず。私がドライバーなら、決して行列に並ぶことはないでしょう。実は、タクシーの良質な顧客はバス停のバスを待っている人の中にいます。都心のバスは、道路が渋滞しがちなので、早朝から夕方まで、時間通りにはなかなか来ません。イライラしている人は多いでしょう。そんなところにタクシーがあれば、乗る人が出てきます。みなさんも、思わず乗ってしまった経験はありませんか? バスで移動しようとしていた人であれば、そこそこの距離を移動するはずです。行きたい場所に時間通りに行けない損失が、10倍以上のタクシー代にかわるわけです。これは分かりやすい例ですが、大事なことは、相手の感情を読む、どこの客がいるのかを考える、といった〝考える〟ことなのです。その考え方をアドバイスするのが、私の仕事だと思っています」


インタビュー中、船ヶ山氏は、よく「再現性」という言葉を使う。「再現性がある」とは、ある理論に基づいた行為をすれば、同じ結果が得られる、ということだ。コンサルティング成果が出なかった場合、「ケースバイケース」という言葉で済まされてしまうことも多い。しかし、船ヶ山氏は、それではコンサルタントとして失格だという。

「どんな状況であれ、一定の成果を導き出せないということは、そのアドバイスが理論的に確立していないと考えられます。きちんとした再現性のあるアドバイスをするのが、コンサルタントの役目ではないでしょうか」

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※「マネーポスト」2016年新春号に掲載

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