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【羊飼いのFXトレンドフォーキャスト】 2016年中にも十分起こりうる「暴落局面」を勝ち抜く戦略とは?

過去のアメリカの利上げは金融危機を誘発してきた

2015年のここまでの為替相場を振り返ると、アメリカの利上げ観測に一喜一憂する方向感の定まらない1年だった。特に、アベノミクスで始まった円安ドル高の強力なトレンドが影を潜めたことが、最大のニュースだったのではないかと感じている。とはいえ利上げは実施され、時間をかけて段階的に進められていくだろう。長い目で見ればドル高をサポートしていくと考えられるが、短期的にはむしろ逆で、金融危機やリスクオフを引き起こすきっかけになりかねない。

現実に、すでにその影響は広がっている。15年8月には中国発の金融不安に端を発した世界同時株安「チャイナ・ショック」が市場を襲った。米ドル/円は1日で1ドル=121円台から一時116円台まで下落するという記録的な暴落となった。アメリカの利上げは、過去にもアジア通貨危機(1997年)などの金融危機を誘発してきた。今回も程度の差はあるだろうが新興国への投資マネーが引き揚げられ、資金を失った国々の株価や通貨、景気は多かれ少なかれ打撃を受けるだろう。
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16年に入っても、世界の投資マネーの流れにひずみが生じ、株安やリスクオフによる円高、世界的な金融市場の混乱が同時多発するショックの発生は十分ありえる。個人的には1ドル=110円程度の円高局面があってもおかしくはないと考えている。こうしたショック時に取りうる対応として、最も安全な選択肢はポジションをすべて閉じて静観することだ。相場は必ずしも一方向に向かうわけではなく、ボラティリティ(変動率)も大きくなっているので、トレードするリスクは非常に高まる。

なによりこうしたショック時はストップロス(損切り指値)が機能しなかったり、指定したレートで約定できなくなるおそれもあり、予期せぬ事態が起こりかねない。混乱が収まるまで様子見に徹するのも立派な戦略のひとつだろう。

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