投資

米中貿易問題は、豪ドル/円の潜在的な売り圧力になる

 トランプ大統領が3月22日、中国による知的財産権侵害などに対して、最大で年間600億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すと発表すると、中国は翌日の3月23日、対抗措置を発表した。

 アメリカが中国に課した鉄鋼、アルミニウム製品への追加課税に対して、中国はアメリカからのワインや豚肉などに対して高関税を課すとした上で、4月2日には128品目にわたるアメリカからの輸入品リストを発表し、30億ドルに関しては実行し始めた。

 中国の強硬な姿勢で、マーケット(株式市場、外国為替市場など)には、不安心理が広がった。

 しかし、習主席は4月10日の講演で、「中国の市場環境はこれから大幅に改善し、知的財産は強力に保護される。中国の対外開放は全く新しい局面が開かれる」と述べ、市場開放に向けて努力する姿勢を表明。中国の対米貿易黒字(=米国にとっては対中貿易赤字)に関しては、「貿易黒字を追求しない」として輸入拡大に努力するとした。

 これに対して、トランプ大統領はツイッターで、「習主席による思いやりのある言葉」とこの発言を評価した。すると、今度は、マーケットに、安心感が広がり、株価の上昇を招き、豪ドル/円には、「豪ドル買い円売り」が出た。

 結論を言えば、その時々に流れるニュースに、敏感に反応し、一喜一憂している状態だ。個人的な見解だが、習主席の発言は、リップサービス的であり、努力することを述べたに過ぎない、と考えている。つまり、何らの具体策を示した訳でもなく、まだまだ予断を許さず、である。

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