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金利3%超の米国債 有利な商品なのに金融機関が勧めてこない理由

米国債は年利3%を超える利回りとなっている(ウォールストリート)

 経済アナリストの森永卓郎氏は、「2018年9月の自民党総裁選の結果によっては、株価暴落の恐れがある」と分析している。そうしたなかで、資産運用を考えるとき、どのような投資先に注目すればよいのか。森永氏は意外な商品に注目しているという。

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 安倍晋三総理が主導したアベノミクスは、とにかく株価を上げた実績は否定できない。一方で、私が総裁選の安倍氏の対抗馬と予想する岸田文雄政調会長が勝利した場合、消費増税の断行や財政引き締め路線などで、株価も急落する可能性が高いと見ている。そうしたことを踏まえれば、少なくとも自民党総裁選までは、大きなポジションでの株式投資は控えた方がいいだろう。

 では、今投資を考えるなら、どんな金融商品が選択肢となるのか。

 私が注目している金融商品のひとつは、米国の10年物国債だ。アメリカ経済は、各種経済統計から順調な景気拡大が確認され、利上げが加速するとの思惑も相まって、現在の米10年物国債(長期債)の金利は、何と年率3%を超えているのだ。

 これは、10年間満期まで待てば、30%の利益が得られるということだ。それに対して、たとえば日本の個人向け国債の10年物の金利は、変動金利とはいえ最低保証は年率0.05%でしかなく、米国債とは雲泥の差がある。

 ところが、日本の証券会社をはじめとする金融機関は不思議なことに、これほど高利回りの米国債をどこも積極的に販売、宣伝していないのだ。それはなぜか。たとえば、金融機関が個人投資家に投資信託を売れば、金融機関には販売手数料が入り、信託報酬も毎年徴収できることになる。

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