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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

三国志武将で優秀なビジネスマンは誰だ? 張魯に学ぶPR戦略

三国志武将で優秀なビジネスマンは誰だ?

 日本で人気の中国小説といえば『三国志演義』だ。中学生の時に吉川英治『三国志』を読み、大学生の時に横山光輝の漫画『三国志』を読み、中学生の頃から光栄(現・コーエーテクモズ)のゲーム『三國志』シリーズをやり続けるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「もしも三国志武将が現代のビジネスマンだったら誰が優秀か……」について考察する。

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 漢中を支配していた張魯がかなり優れたビジネスマンなのではないでしょうか。「五斗米道」なる「米を五斗(90kg)納めれば幸せになれる」的なことを提唱する宗教の3代目となり、宗教をベースとした国を築き上げます。これは会員制ビジネスの原点とも呼べるものでしょう。

 当時最強の勢力を誇っていた曹操は各所にケンカを売りまくって制圧していましたが、不思議と張魯に対して当初はスルーするというか、容認していた感があります。宗教に支配された国に対する畏怖の念を持っていたか敬意を持っていたのかは分かりませんが、孫権・劉備・馬超などをぶっ潰すことばかり考えていた曹操が張魯のことはスルーしたことについて、「なんか張魯って一目置かれていたんじゃねぇの?」と思います。多分、PR力が高かったのでしょう。

 現代の企業においても、「なんかすごそう」みたいな会社は時々ありますよね。具体名を挙げると「ワシらは本当にすごいのに失礼だ!」とその会社から怒られそうなので挙げませんが、「なんでこいつらは実体以上に過度な存在としてメディアからチヤホヤされておるのだ?」と思う会社はありますが、張魯の国もそんな存在です。

 そのPR力もあり、蜀(中国西部)の地を支配していた劉璋は隣国にいる張魯のことをかなり恐れていました。だからこそ同族である劉備を蜀の地に招き、張魯と当たらせようとしました。しかし、劉璋は当時は有力君主の一人だったはずです。3DSゲーム『三國志』の208年11月開始のシナリオ「臥龍出淵」は、赤壁の戦い前夜を描いたシナリオですが、この時張魯が漢中しか支配していないのに、劉璋は梓潼、成都、江州、永安の4つを支配しています。

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