大前研一 「ビジネス新大陸」の歩き方

大前研一氏 国債と株でフォアグラ状態の日銀は「内部爆発」する

 ECB(欧州中央銀行)も6月、いわゆる量的緩和(QE)政策に相当する資産買い取りプログラム(APP)を年内で終了する「出口戦略」を決定した。

 となれば、世界のマネーは金利が高い欧米に向かうから、日銀も金利を上げざるを得ない。また、もし日銀が物価上昇率2%の目標を達成した場合も当然、金利は上がる。

 そうなったら、フォアグラのように国債を腹一杯に溜め込んだ日銀は、利払いが利息を上回る「逆ザヤ」になってインプロージョン(内部爆発)を起こし、国債暴落のトリガーを引いてしまう。

 もはや日銀に異次元金融緩和の「出口」はない。つまり、日銀自体が日本経済にとって最大の不安要因なのだ。国民は、日銀インプロージョンという“人災”に備えるべきである。

※週刊ポスト2018年8月10日号

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