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仮想通貨、物々交換… 立川こしら氏が考える「お金の価値」の揺らぎ

 人間はあらゆるものを抽象化してきた。昨今でいえば、多くのものがデジタルで表現されるようになり、無料で無限に複製できるものになった。それらの価値はやがてゼロ円に限りなく近づいていく。今後、お金の価値はもっと揺らいでいくだろう。

「お金はモノやサービスと取り替えるのに便利だから生まれた。だから、それ以上でも以下でもない。お金のために嫌な仕事を我慢するなんてもったいない。嫌な仕事をみんなが辞めてしまっても意外となんとかなると思いますよ。産業革命だって、嫌な重労働をしたくないから起こったわけですから。

 誰かがしなければいけないような“嫌なこと”もやがてAI(人工知能)をはじめとするテクノロジーが解決していくでしょう。そこに新しい仕事も生まれるはずだし。漠然とした世間の価値観に縛られないこと。みんながみんな、とことん好きなことをしたら、世界は変わると思います」

 私たちは普段、「相場」を意識する。モノやサービスを買うときにもそうだし、仕事で取引先と商談するときもそうだ。しかし、そんな相場はいつか誰かが言い出したものにすぎない。本来、お金の価値もそれぞれ違う。1億円持っている人の1万円と、10万円しか持っていない人の1万円は明らかに違う。

 お金について考えることは、自分の価値観を改めて問うことになる。自らの価値を見出すことができれば、得るものはお金でなくてもよくなる。では、何を得れば幸せになれるだろう──そんなことも考えるきっかけにしたいものだ。

◆取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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