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年金・雇用保険・健康保険… 60代で必要な「手続き一覧」

「定年後のお金」を巡る情報が溢れている。様々なメディアが「得する年金」や「揉めない相続」そして「死後の手続き」を特集しているが、実はそれらを個別に見ているだけでは、本当の“あんしん老後”を送ることはできない。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が指摘する。

「本当に大切なのは、医療や介護、年金といった“ジャンル”を超えて『いつ何を手続きするか』を把握しておくことです。特定のタイミングでしか受けられない給付や、逆に時期を誤ると罰金が科せられるものもある。それゆえ、事前に手続きの流れやタイミングを家族と一緒に整理しておくことが重要なのです」

 以下、「60代でやるべき手続き」の順番とやり方が一目でわかるカレンダーを掲載した。いつ、どこで、何をやるか──。

60~64才 まだまだ仕事を続ける年代は「働きながら得するお金」を見逃すな

60~64歳でやるべき手続きカレンダー

60~64歳でやるべき手続きカレンダー

【健康保険】定年退職後に健康保険を「任意継続」
(「任意継続被保険者資格取得申出書」など→加入する健康保険組合へ)
 健康組合などの「任意継続」(最大2年)か、「国民健康保険」の加入かを選べる。「退職1年目は任意継続が有利なことが多い」(森田氏)
*注意:退職翌日から20日以内の手続きが必要。

【年金】65歳より前にもらえる「繰り上げ受給」
(「老齢厚生年金・老齢基礎年金支給繰上げ請求書」など→年金事務所へ)
 1か月繰り上げるごとに月毎の受給額は0.5%ずつ減(60歳受給開始なら30%減)となるが、「健康寿命(男性の場合=72歳)までに多く受け取れるのは繰り上げ」(森田氏)

【年金】「任意加入」で国民年金を満額受給
(「国民年金被保険者関係届書」など→自治体の国民年金担当窓口または年金事務所へ)
 満額受給には40年間加入の必要がある。不足分を60~64歳の間に支払うことのできる制度。
*注意:「繰り上げ受給」を選ぶと「任意加入」はできない。

【雇用保険】給料が減ったら「高年齢雇用継続基本給付金」がもらえる
(勤務先の会社に申告)
 賃金が60歳時点の75%未満に低下した時に申請可能。最大で新賃金の15%が毎月給付される(65歳まで)。
*注意:定年退職後に雇用保険の失業給付を受けるともらえなくなる

【雇用保険】失業給付を受けて仕事を見つけたら「高年齢再就職給付金」がもらえる
(再就職先の会社に申告)
 支給水準は「高年齢雇用継続基本給付金」と同じ。雇用保険の失業給付の残日数100日以上が条件。支給期間は最大2年(65歳まで)。

【年金】支給漏れに注意!「特別支給の老齢厚生年金」
(「年金請求書」「戸籍謄本」「本人名義の通帳のコピー」など→年金事務所へ)
 65歳になる前に「年金請求書」が送られてくる(1961年4月1日以前生まれの男性の場合)。
*注意:繰り上げ受給と勘違いして申請漏れになる人が多いので注意。

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