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“お金を使わない”令和版「人生ゲーム」を子どもとやってみた

ルールの理解は子どものほうが早かった(筆者撮影)

 令和という新しい時代の到来を絶好の商機ととらえて、さまざまな関連商品が販売されている。なかでも「なるほど、そうきたか!」と膝を打ったのが、タカラトミー社の「人生ゲーム+(プラス) 令和版」(6月1日発売。以下、新人生ゲーム)だ。

 4月1日に開かれた同社のイベントで、新元号の発表とともに急遽作成したであろう「令和」のシールをあちこちに張った新人生ゲームがお披露目となった。話題になったのは、人生ゲーム史上初となる「お札の廃止」である。ゲーム盤が収められた箱にも「人生の価値はお金だけではない」と堂々と大書されている。

 これまでの人生ゲームは、ルーレットを回しながら双六の要領でコマを進め、お金を増やしていくというボードゲームだった。ところが、新人生ゲームの世界にはお金の概念がない。それに決まったスタートもなければ、目指すべきゴールもない。決められた終了条件を満たした時点で、“フォロワー数が多い人”が勝ちというゲームなのだ。

 フォロワーとは、SNSなどで自分が文章や写真、映像で表現したものに賛同なり共感なり、つまり「いいね!」と感じて、以降も動向を知ろうと“フォロー”してくれる人のこと。新人生ゲームでは、〈毒舌司会者〉や〈大統領〉、〈タレントゲーム実況者〉など32ある「インフルエンサーの役」を完成させることでフォロワー数を大きく稼ぐことができる。インフルエンサーとは、その言動が世間に与える影響力の大きい人物のことをいう。

 ゲーム盤はSNSの世界を模して〈tsubuyaki(つぶやき)〉〈photogenic(フォトジェニック)〉〈movie(ムービー)配信〉〈マニアック〉の4エリアに分かれ、それぞれに「アイテムカード」が積まれている。プレイヤーは3枚の「インフルエンサーカード」を手札とし、ゲームスタート。ルーレットを回し、盤上のマス目に沿ってコマを動かす。

 コマを動かす過程で、手持ちのインフルエンサーカードに描かれたアイテムカードを必要なだけ集められれば「インフルエンサーの役」が完成し、同時にフォロワーが一気に増える。「盤上のすべてのフォロワー駒(日本の総人口にあたる1億2600万人分)がなくなる」など、3つある終了条件のいずれかが満たされるまでゲームは続くというのが基本的なシステムだ。

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