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飲食店激戦区のとあるバー、ダメ店主を救った救世主のような客

ダメ店主を経営の危機を救ってくれた常連客とは?(イメージ)

ダメ店主を経営の危機を救ってくれた常連客とは?(イメージ)

 飲食店業界はとにかく競争が激しい世界。「若者のお酒離れ」が進み、不景気も続く今、とりわけ商売が難しいのが「バー」ではないだろうか。しかし、立地的にも不利な条件にあるバーが、長く営業を続けている例は少なくない。

例えば、都内の某繁華街にあるバー『R』は、「飲食店の超激戦区」「雑居ビルの2階の奥まった場所」「外から店内が一切見えない」「店主は強面」など、不利な条件を多数抱えながら、すでにお店は7年目を迎えたという。

 店主のTさんは現在30代。学生時代にバーでバイトをするうちに、自分の店を持ちたいという夢を抱き、大学卒業後もそのままバイトとして働き続け、6年前にようやく独立を果たした。オープンしたのは修業先から徒歩数分の場所。オープン当初の客は、修業先の常連ばかりだった。オープン時からRに通うYさんがいう。

「オープンしたばかりの頃は、元バイト先の店長が『Tが近所に店を開けたから、良かったら行ってやって欲しい』と常連に宣伝し、順調なスタートを切りました。しかしTは、知り合いが来ると、一緒にチョビチョビと飲み始めてしまい、酔っ払って勘定が適当になってしまうような愛すべきダメ男です。あっという間に経営状況はマズいことになりました」(Yさん。以下「」内同)

 ほどなく元バイト先では、「Rがいつ潰れるか」が酒の肴になり、“Xデー”の到来も間近かと思われたが、Tさんの適当さが逆に人を呼び込むことになる。

「Tは細かいことをゴチャゴチャと言わない男で、誰かが誕生日のケーキを持ち込めば、黙って皿とフォークを出してくれますし、『店でDVDが見たい』と言えば、BGMを消して店内のモニターで流してくれます。大人数で長居をしても、席に余裕があれば一切何も言いません。そういった居心地の良さが好まれるようになり、とりあえず閉店の危機は脱しました」

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