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【日本株週間見通し】日経平均3週続伸 今週も底堅い展開を予想

 24日のNYダウは総合化学メーカーのスリーエムの決算が嫌気されて反落したものの、ハイテク株に好決算が相次いでナスダック総合指数は続伸した。このハイテク株高の流れを好感して25日の日経平均は5日続伸となった。週末事情から積極的な買いは手控えられて一時マイナス圏があったものの大引けにかけて強調展開となった。エーザイの人気が持続し、東エレク<8035>やディスコ<6146>といった半導体製造装置関連株の上昇が目立った。日経平均は昨年10月18日以来(取引時間中)およそ1年ぶりに一時22800円台に乗せた。

 今週の日経平均は、日米の金融イベントを控えて一服商状が想定される中でも底堅い展開が想定される。先週の日経平均は週間ベースで307円強、直近3週間では約1389円の上昇幅をみていることからスピード調整があってもおかしくないタイミングだ。また、29日からのFOMC(連邦公開市場委員会)、30日からは日銀金融政策決定会合を控えている。16日に発表された米9月小売売上高が7カ月ぶりに減少に転じたことでFRB(米連邦準備制度理事会)が9月に続いて今年3回目となる追加利下げを実施する見方が強まっている。

 米国企業の決算発表はヤマ場を迎え28日のアルファベット、29日のゼネラル・モーターズ、ファイザー、30日のアップル、フェイスブック、GEでピークを通過する。また、文化の日の振替休日で3連休を控えていることから、週後半には一服感が生まれやすいだろう。ただ、米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題など外部環境の不透明感はなお残るものの、企業業績への期待感が増す地合いとなっていることから、下値不安も少ない。

 国内では、28日にファナック<6954>、キヤノン<7751>、29日に野村<8604>、30日にソニー<6758>、31日に東エレク、任天堂<7974>、1日に日本製鉄<5401>が決算発表を予定している。23日の決算発表で通期予想を下方修正した日本電産が翌日に前日比プラスで大引けたことで、過度な業績不安は後退している。波乱要素があるとすれば、為替の動向と31日発表予定の中国10月製造業PMIだ。

 一方、個別ではシェアオフィス事業を手掛ける米ウィーワークの支援問題で株価が調整しているソフトバンクGが注目されてくる。29日から31日に掛けてサウジアラビア・リヤドで開催される「未来投資イニシアチブ(FII)」に孫正義CEOが出席する予定だ。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」への大口出資者であるサウジ政府系とアブダビ政府系のファンド幹部と接触すると報じられている。ポジティブ材料が出てくればカリスマ性の強い銘柄だけに、物色ムードのさらなる好転も期待される。

 また、軟調な展開が懸念されていた新興市場も25日にかけてJASDAQ平均とマザーズ指数がともに6日続伸と復調の兆しを見せてきた。新規上場が4銘柄登場することも物色の刺激材料となってくる。決算発表シーズンの本格化と金融イベントを控えて大型株には動きにくさが出てくることから、値動きが軽い中小型銘柄、新興市場銘柄にも物色の手が伸びてくることも予想される。

 今週の主な国内経済関連スケジュールは、28日に9月企業向けサービス価格指数、30日に日銀金融政策決定会合(31日まで)、9月商業動態統計、31日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、9月鉱工業生産、11月1日に9月失業率・有効求人倍率、10月自動車販売が予定されている。

 一方、米国など海外主要スケジュールでは、28日に米9月シカゴ連銀全米活動指数、29日にFOMC(30日まで)、米8月S&PコアロジックCS住宅価格指数、米9月中古住宅販売仮契約、米10月CB消費者信頼感指数、30日に米10月ADP雇用統計、米7-9月期GDP、31日にユーロ圏7-9月GDP、米9月個人所得・個人支出、ユーロ圏9月失業率、中国10月製造業PMI、英国のEU離脱期限、ASEAN首脳会議(11月4日まで、タイ)、11月1日に米10月雇用統計、米10月ISM製造業景況指数、米9月建設支出が予定されている。

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