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家計

借金する理由がウソだった場合、一括返済を要求できるか

お金を貸した後に相手のウソが判明して…(イメージ)

お金を貸した後に相手のウソが判明して…(イメージ)

 金の貸し借りはなるべくなら避けたいのものだが、病気を持ち出されればついつい貸してしまうもの。ところが実際には、その理由がウソだった場合、一括返済を要求できるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 知人女性に200万円貸しました。子供の手術代で借りたいとのこと。借用書の内容は月3万円の返済を約束。これまで滞っていません。しかし、共通の知人から彼女に子供はおらず、賭け事の借金に充てたのでは、といわれ怒りがこみ上げています。この場合、残金を一括で返済してもらうのは可能ですか。

【回答】
 貸金は返済が当たり前ですが、月3万円の月賦返済の条件ですから、200万円の満額返済まで5年半以上かかる計算です。女性には、それまで毎月3万円以上返せば、残りを借り続けられるという利益(期限の利益)が付与されたことになります。

 女性が約束通り分割払いを続けていれば、この利益を奪うことはできません。しかし、契約そのものが白紙になれば、女性は借りたお金を手元においておく権利がなくなるので、あなたは貸金の残額全額の返還請求ができます。

 契約を白紙にする方法としては、騙されたことを詐欺として取り消す方法と、子供の手術代に使うとの誤解による契約なのだから、錯誤で無効と考える方法があります。詐欺の場合、女性が騙す意思を持ち、子供の手術代だとウソをつき、あなたをその旨、信じ込ませて騙し、その結果、貸したという事実を証明することが必要です。その場合は、取消通知をして返金を請求することになります。

 錯誤とは、契約の動機が相手に表示されていた場合で、その動機の前提事実に誤解があり、そうした誤解がなければ融資しなかったといえるときは、その契約は無効になるというものです。

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