「思い返せば、ひどい目に遭うのは決まって子供と2人だけの時で、夫といる時は皆無でした。私が夫と一緒にいない時にターゲットにする人は、明らかに自分より“弱い”対象を選んでいるのだと思います」
言うまでもないことだが、こうした迷惑行為は犯罪であり、決して許せるものではない。だが、実際に被害に遭ってからでは、もう遅い。万が一の事態に備えて、女性たちが自衛を迫られているのも現実だ。Aさんは、不本意ながらも、駅では険しい表情をして歩き、弱々しさを見せないように心がけているという。そんなことまでしなければ身を守れない状況に生きづらさを感じている。
その一方で、第一子の出産時からの「社会の変化」も感じるようにもなった。
「2年前は、マタニティマークをしていても、席を譲ってくれたのは同年代の女性か、若い世代ぐらい。今ではお父さん世代のサラリーマンでも譲ってくれることが増え、少しずつですが、妊婦に対する配慮が浸透してきたことも感じています」
2度目の出産を間近に控え、訪れる店や電車内でも気遣ってもらえる機会が増えたと語るAさん。「見た目に関係なく、配慮しあえる社会になればいいですね」と話していた。